2011/01/27

GR DIGITAL III(クロスプロセス)
フジモトマサル氏の新刊「夢みごこち」が発売されたので購入しました.Web平凡に連載されていたものを加筆修正して、最終回を加えたものです.
フジモト氏の作品はいずれも多少の毒気というかシニカルな部分があったりするものですが、これはさらに際だっています.
様々な動物が主人公として登場するのですが、すべての話が夢オチになっており、目覚めるところから次の話が始まるという構成になっています.自分が今いる世界が夢なのか現実なのか、足下が揺らいでくるような不安定な気分になってくる作品です.
Web版で全話読んでいたのですが、加筆された最終回は絶望の中にやんわりと希望が入り交じっているかのようで、この話を締めくくるのにふさわしい終わりかただと思いました.オススメです.

GR DIGITAL III(クロスプロセス)
どうでもよいことですが、物語中にロードスターが登場したのがちょっと嬉しかったり.
2010/12/26

GR DIGITAL III
アサヒカメラ2011年1月号を購入しました.お目当ては新春グラビアのAKB48・・・ではなくて付録の岩合光昭氏撮影による猫カレンダー.
未だに特集記事に「デジタル」を冠してしまうあたりが、読者層の高さを感じさせます.その読者層の高さと関係のありそうで、なおかつ自分も興味のある記事が掲載されていました.「写真を撮る「眼」を科学する」という特集です.
老眼とはどういう状態を指すのか、治療法はあるのか、加齢による水晶体の黄変による曇りなどについて、実際にその状態をシミュレーションした画像とともに紹介されているので、わかりやすい記事でした.
また、カメラ自体のファインダ倍率や視度補正などにも触れられており、MF主体で撮影をする自分にとっても有用でした.
特に興味深かったのは、フィルムの一眼レフに比べて最近のデジタル一眼レフのファインダが狭いのは、AF主体になったためピント確認よりも構図全体をすぐに見れる方が便利なこと、そしてファインダ内のパラメータ表示の情報量が増えたのでそうしたものもすぐに見れることを考慮してのこと、というところでした.自分はD40にはオリンパスのME-1を取り付け(要部品削り)、D700にはDK-17Mを取り付けていますが、MFで撮るには現在のファインダは不十分なのかもしれません.DK-17Mは少し出っ張るのがカメラ収納時などに邪魔だったりしますが、その出っ張った部分に眼の上部を押し当てて安定させることができるのはメリットです.また鼻の頭が液晶に当たらないのもよいので手放せません.
2010/12/16
先日、新宿のヨドバシカメラにいったところ、シャープとソニーの電子書籍デバイスが展示されていたのでちょっとずつ触ってみました.
■ シャープ GALAPAGOS MediaTablet 5.5
・動作はきびきびしているがiPadに比べると引っかかりを感じる
・ほんのり温かい本体
・液晶は綺麗
・5.5インチ液晶では拡大しないと雑誌は文字が読めない
・ダブルタップで拡大→ダブルタップでさらに拡大→ダブルタップで元のサイズに戻る
・指2本でのピンチイン/ピンチアウトに対応
・iPadをよく研究しているけど、劣化コピーという気がしなくもない
■ シャープ GALAPAGOS MediaTablet 10.8
・さきに5.5インチモデルを触ったせいか妙に大きく感じられる.「うすらでかい」と感じたほどに
・なんだか全体的に動作が緩慢.壊れているのかも?と思ったほど
・あまりにも反応が悪いのと違和感を感じる大きさに早々に試用を中止
■ SONY Reader Touch Edition / Pokect Edition
・5インチと6インチ、両者の差はそれほど感じない
・E-INKはやはり画面切替時が気になる
・文字サイズを最小にすると文字のかすれが気になる
・Webだのメールだのに色目を使わずに純粋に文庫本だけを読む人にはアリかも
・暗いところでは読めないのはちょっと困りものか
・on/offできるバックライトとお風呂で読めるように防水構造にしたらもっと売れるかも
・でもそういうこと以前の問題としてスタンドアローンで書籍が入手できないのはイマイチ、そしてWindowsにしか対応していないのもイマイチ
・「電子書籍としての機が熟した」そうだけど、以前のLIBRIeとの違いはあんまりないような
シャープの製品は、こうして量販店に展示してありながらその場での購入はできず、Webとか注文書で購入になるあたりが、及び腰というか、売る気がないというか、売る側も在庫を持つリスクを嫌うほどに売れる気がしない、のだろうなとかいう気がします.とりあえずエントリーしてみました的な感じでしょうか.
ソニーの製品はモノクロ16階調液晶ということもあって、読むことにひたすら特化した設計であるといえます.E-INKを使用して画面の切替時以外はバッテリを消費せず長時間使えるというのはこれはこれで割り切りがあってよいと思いました.
正直なところ、両者とも厳しいのではないかと思います.電子書籍はまだまだ始まったばかりのものなので、市場が育つまで持ちこたえることができるかどうかががんばりどころでしょう.
iPadはあれだけ電子書籍デバイスとして注目をあびましたが、実際のところは通信もビジネスも画像表示も動画もゲームもできる非常に多彩な製品なので電子書籍市場が育たないからといって消えるというようなことはないでしょう.これらの製品もiPadほどの柔軟性があればもう少し期待もできたと思うのですが、Appleに肩を並べるソフト/ハード両面の開発が行える日本の企業は残念ながらないでしょう.
電子書籍にしても他の機能にしてもiPadのライバルといえるのはこの両者ではなくてGALAXY Tabくらいでしょうか.
2010/12/05

GR DIGITAL III
デジタルガジェット系の雑誌「flick!」のvol.02が発売されたので購入しました.
この手の雑誌こそiPadでダウンロード購入したいのですが、まだ今号は発売されていませんでした.vol.01はZinioで販売されていたのでそのうち今号も販売されるとは思いますが、とはいえリアル雑誌との販売タイムラグ、そして同額で販売というあたりにちょっとビミョウなものを感じます.
vol.01は980円でしたが、vol.02は680円に値下げされていました.発売部数から採算ラインが見えてきたのかもしれませんが、雑誌の内容自体による影響(後述)もあるような気もします.
今回の特集はスマートフォン、というかアンドロイド端末.日本の携帯電話キャリアから発売・発表された各機種の紹介やおすすめアプリ、iPhoneとの対比など初心者向けにもわかりやすい内容です.
ただ、どうも一部の記事にiPhone至上主義というか、アンドロイドに対して批判的な記事があったことが気になりました.個人的にはアンドロイドも気になる存在ではありますし、iOSのライバルであるOSがあってこそモバイル系端末の利便性が高まると思っているのでもうちょっとフラットな視点で捉えてほしいものです.
vol.01に比べても気になったのが、宣伝っぽい記事が増えたことです.ライター名の記述とともに「取材協力」としてメーカー名が記載されているものについてはちょっと持ち上げ気味な記事が多いように思われました.こうしたところから広告費を得て雑誌価格を下げているのかもしれませんが、メーカーの提灯記事のような広告雑誌は自分の求めるところではないので少し残念です.
2010/11/29

GR DIGITAL III
週刊東洋経済がカメラ特集を組んでいたので読んでみました.
自分の興味をひいた事項をまとめると、
・コンデジ市場は競争激化で薄利状態になっている
・日本市場はもはや伸び悩み
・一眼レフはロシア中国で伸び始めており、今後はインドやアフリカでも伸びが期待できる
・キヤノン、ニコンはミラーレスをライバルと見ていない
・ニコン一眼レフのライバルはキヤノンだけ
・ミラーレスが売れているのは日本、韓国などアジアの一部だけ.アメリカなど多くの国ではシェア1割程度
・キヤノン、パナソニック以外の会社はコンデジの外注が増えている
・コンデジの外注先は中国・台湾系がメイン.昔はOEMでシェアトップだった三洋電機は今や見る影なし
・携帯電話やスマートフォンのカメラ機能によってコンデジ今後はさらに厳しい市場に
・2010年度のコンデジ出荷予定で、オリンパスは1,200万台出荷予定を900万台に下方修正←一眼レフも死に体だし、ミラーレスが売れててもちょっとやばくないですか?
まあすごく驚くような記事はなかったのですが、一眼レフにおいてキヤノンとニコンは別格の存在であって、残りは「その他」でくくられちゃうというのは微妙というか寂しい気もしますね.とはいえ、この2社だけはハイエンドからローエンドまできっちりと機種をそろえていて、オリンピックなんかのスポーツ報道ではこの2社の製品しか見ないし、ブランドイメージもそれだけ強大なのでしょう.
一眼レフでは歯が立たないから自前の土俵で勝負、というのがミラーレス機なのでしょうけど、全世界的に見たらマイナーな存在というのは少し意外でした.もうちょっと海外でも売れているのかと思っていたので.
記事中でも指摘されていましたが、コンデジやミラーレス機は可動パーツが少ないぶんOEMなんかでも作らせやすく、結果としてそうした下請けメーカーが将来的にライバルになることも十分考えられます.たとえばノートPCに対するネットブックのような存在で、性能がそこそこでお値段は数分の一、なんていう製品がどっと出てきたときに市場が崩壊したりしないのか、興味深いものがあります.