2017/10/26
FUJIFILM X70
新しいレンズを買いました.Hengyijia(ヘンイージア)の25mm F1.8です.
いわゆる「中華レンズ」などと呼ばれるたぐいのもので、同じ形状同じ性能でレンズフチのプレートだけ異なるものがいくつか売られているので、Hengyijiaという会社?が実際に作っているのかどうかは定かではありません.
購入価格はAmazonで10,800円でした.税別1万円というと中身もそれなりじゃないのかという気もしてきますが、少なくともスペックからはそのような安物感は感じられません.
F1.8と明るいレンズながらマウント面からのサイズは32mm、フォルタ径も46mmとコンパクトで、それでいて最短撮影距離は18cmと文句なし.しかも絞り羽根12枚という多さ.MFレンズで電子接点もないというデメリットはありますが、それでもコストパフォーマンスは抜群です.
FUJIFILM X70
1万円という価格ながらねじ込み式のフードも付属しています.別ブランドの同じレンズがフードなしで八千円台でAmazonで売られていたのですが、そちらは商品説明に複数のマウントのものがある旨の説明をしていながら購入時にマウントを選ぶことができないので怖くて買えませんでした.
金属ボディでマウントも金属製(ステンレスではなくたぶんアルミだと推測)で素材的には安っぽさはないのですが、絞り値やピントリングの距離表示がプリントなのが価格相応といったところです.金属にプリントという点を考えると、使っていくうちに剥がれそうな感じがします.また、絞りリングはクリック感のないものなので、ピントリングを動かした時などに指が当たって動いてしまいそうです.これはコストダウンのせいなのか、それとも動画撮影時に絞りを操作した時に音を拾わないようにという目的なのかは不明ですが、好みが分かれそうです.自分はあんまり好きではないですね.
FUJIFILM X-Pro2 + Hengyijia 25mm F1.8
しかしながら、撮影してみるとその写りの良さに驚きました.絞り開放でもピントのあっている部分はエッジの立った画像になっています.さすがに絞り解放では周辺部などにサジタルコマフレアが出ますが、そこまで追求するのは酷というものでしょう.
FUJIFILM X-Pro2 + Hengyijia 25mm F1.8
絞り開放だと光源のエッジ部分にフリンジが出ますが、少し絞れば気にならなくなります.
FUJIFILM X-Pro2 + Hengyijia 25mm F1.8
効果を発揮しそうなのがテーブルフォト.25mm(35mm換算37.5mm)なので距離が取れなくて困ることも少ないでしょうし、逆に広角で遠近感が強調されることもない絶妙な焦点距離です.しかも最短撮影距離18cmなので寄ることもできます.写真は絞りF1.8で最短撮影距離にかなり近いところで撮影したもの.これだけ寄れれば十分です.
FUJIFILM X-Pro2 + XF35mm F1.4 R
手持ちの25mmレンズ、Voigtlander COLOR-SKOPAR 25mm F4と比較.サイズはVoigtlanderの方がコンパクトですが、VMマウントなのでX-Pro2で使うにはこれにマウントアダプタを取り付ける必要があります.そうするとサイズのメリットは薄れてしまいます.最短撮影距離も50cmとやや遠く使い勝手ではHengyijiaのほうが上ですね.とはいえ、刻印されて墨入れされた絞りリングやピントリング、カチカチと小気味よく回る絞りリングなど見た目の作りの良さ、それにデザインの好みもVoigtlanderです.
2017/10/21
映画『ドリーム』を観てきました.
実話に基づいた、3人の黒人女性とNASAのマーキュリー計画にまつわる作品です.実話に基づいた、とはいえさすがに映画化するにあたって多少の脚色などは入っているようですが、3人とも実在の人物であり、実際にNASAで多大なる功績を残したことは事実です.
また、日本での映画タイトルが当初『ドリーム 私たちのアポロ計画』という、どこから持ってきたのかわからない「ドリーム」という言葉やら、マーキュリー計画なのになぜか関係のない「アポロ計画」という言葉が使われており批判されていましたが、さすがに意味不明な「私たちのアポロ計画」という言葉は取り払われ、「ドリーム」という言葉だけになりました.原題は「Hidden Figures」で、Hidden(隠された)Figures(人影)という裏方として働いていた黒人女性の話にあっている(しかもFiguresには数字という意味もあるので計算係や数学者として働いていたという意味合いにもつながっている)ので、これを生かしたタイトルにできなかったものかと感じました.
邦題の問題はさておき、内容は素晴らしかったです.舞台は1960年代のNASA.宇宙衛星や有人飛行など宇宙開発においてソヴィエトに先を越され追いつこうと躍起になりマーキュリー計画に取り組みつつも内部では白人と有色人種では食堂やトイレなどもすべて分けられるなど差別が残されており、その中で優秀な3人の黒人女性がいかに差別や組織の壁を残り超えていくかというのが大きなテーマとなっています.
肌の色による差別だけでなく男女による差別というのも大きく扱われており、例えば黒人男性が主人公の一人である黒人女性に対して不用意な発言をしたり、エンジニアとしてNASAで認められるために必要な教育課程を受けるのに白人のみ入学できる学校が指定されており受講しようとすると女性に分かる内容ではないといわれてしまうなど、随所にそうした出来事が出てきます.
そうした差別的要素を高度な計算能力という数学の力や、当時最新鋭のIBMメインフレームの性能にいち早く気づいてFORTRANをマスターして壁を乗り越えていく、それがこの映画の醍醐味でしょう.肌の色や性別に関係なく数学/数字は正義である、それを武器に認めざるを得ない存在になるという格好よさは観ている側に痛快感を与えます.
2017/10/09
加茂水族館と男鹿半島旅行、つづきです.
FUJIFILM X-Pro2 + XF14mm F2.8 R
加茂水族館を出て、一般道を走って秋田に向かいます.山形から秋田に向かう高速道路は日本海東北自動車道なのですが、酒田からにかほの間が開通していないせいか、すでに開通している道路も無料だったりするので、平行する一般道は交通量が少なく快適に走行できました.
そのせいもあって秋田には予定よりも早い時間に到着し、やや時間を持て余したので秋田港に向かい、道の駅あきた港で時間を過ごしました.
タワー状の建物があり、1階がお土産売り場になっていたので地元のお菓子などを買ったりしていたのですが、そろそろ出発しようかなと思った時に無料でタワーの展望台に行けるということに気づいて、エレベータに乗り込みました.
エレベータの表示では展望台が5階となっていたのでタワーは高くても上までは行けないのかなと思っていたら、途中はなにもなく5階=高さ100mの展望台ということでした.
FUJIFILM X-Pro2 + XF14mm F2.8 R
FUJIFILM X-Pro2 + XF35mm F1.4 R
さすが100mの高さだけあって、秋田港の周囲が一望できます.
港周辺の貨物鉄道線はトラックに置き換えられたりして衰退しているところが多いですが、秋田ではまだまだ現役ですね.
FUJIFILM X70
夕飯は秋田駅近くにある秋田市民市場内の回転寿司店に.市場だけあって夕飯の時刻には市場機能はすでに営業終了しており、ちょっと入りづらい雰囲気ではありましたが、その中でも寿司店は営業していました.とはいえお客も少なかったので回転寿司店とはいえすべて注文を受けてから握っていましたが.
汁物をどうするか尋ねられたので、壁の「ざっぱ汁」とはなにかと聞いてみたところ、しばらく悩んだのちに「あら汁ですね」と返ってきたので注文してみました.かなり立派なものがやってきて、あら汁なので骨のついた部位や目玉などが入っていましたが可食部も多くだしもきいて美味しかったです.もちろん寿司も美味しかったです.
FUJIFILM X-Pro2 + XF14mm F2.8 R
FUJIFILM X-Pro2 + XF14mm F2.8 R
3日目は秋田市内のホテルを出発して男鹿半島に.アップダウンもそこそこあるものの、対向車が来て困るような道路もなく気持ちよく走れました.どうせなら一番先端部まで行ってみようということで行ったのが北端の入道崎.駐車場からしばらく歩くと突端部というか崖に到着します.2時間ドラマで主人公が犯人に追い詰められて冥土の土産に犯行理由を語られるような場所です.そこそこの高さのある崖なのですが、うまくその高低差というか断崖絶壁感を写真に収めるのは難しいものです.
FUJIFILM X-Pro2 + XF14mm F2.8 R
入道崎を出て、寒風山へ.この荒涼とした道路の雰囲気、私は結構好きですね.
FUJIFILM X-Pro2 + XF14mm F2.8 R
FUJIFILM X-Pro2 + XF14mm F2.8 R
寒風山の山頂には「寒風山回転展望台」があります.なにが「回転」かというと、展望台の最上階の窓側がゆっくりと回転しているのです.なので座ったままぐるっと景色を一望できるというわけなのです.まあ、それほど大きな展望台でもないので歩いて一周してもいいんじゃないかとは思うのですが、せっかくなので椅子に腰掛けて水筒のコーヒーを飲みながら一息つくことにしました.回転機構のせいか残念ながら窓ガラスまでは距離があるので写真は撮りづらいですね.
FUJIFILM X70
昼食はこの回転展望台の1階にあるレストランで、秋田らしいものをいうことでハタハタ三昧定食を.ハタハタの天丼、ハタハタ寿司、そしてハタハタのマリネ.ハタハタ寿司は握り寿司ではなくいわゆる「なれずし」です.ハタハタはちょっと癖のある魚ですが(天丼ではちょっと食べづらさを感じました)、ハタハタ寿司はさすが現地で古くから食べられているだけあってハタハタの癖をうまく生かしているなと感じました.
FUJIFILM X-Pro2 + XF14mm F2.8 R
回転展望台の入り口から撮った、八郎潟.こうして見ると距離感が掴めなくてどれほどの面積なのかわからないのですが、この後実際に走ってみてその広大さに驚きました.八郎潟を東西に横断している道路を走ってみたところ距離にして10km、ひたすらまっすぐでよくこれを干拓して作ったものだと思いました.
FUJIFILM X70
FUJIFILM X70
秋田から移動し、北上江釣子の旅籠屋に宿泊.ここのいいところは、向かいにイオンのショッピングセンターがあって、食事や買い物に困らないこと.個人的にはこのような日常のすべてを一箇所でまかなえるような店舗は好きではないのですが、旅先では重宝しますね.
そしてここのフードコートには今となっては数少なくなったドムドムハンバーガーが入店しているのです.以前に食べたのがいつだったかも忘れるほど久々に「お好み焼きバーガー」を食べました.
FUJIFILM X70
翌日、4日目はそのまま帰宅の途に.帰宅するだけ、とはいえ距離にして500kmあるので一苦労です.以前に同じところに宿泊して同じように帰るだけとなったときには、そのまま帰るのはもったいないと思って横手に行って焼きそばを食べ、さらに山形で山寺に登ってから帰宅しましたが今はもうそんな体力の余裕はありません.
とはいえ、ずっと高速道路を走るのもつまらないので、途中福島でインターを降りて「カツ亭」で昼食にカツカレーをいただきました.以前に普通のトンカツを食べたときにはそれほどボリュームがあるという記憶はなかったのですが、カツカレーの巨大さに圧倒されました.これはゆっくり食べていたら途中で満腹になってしまうと思って早めのペースで食べたところ、カツが揚げたてで口の中を火傷してしまいました.福島に行ったらまた再訪したい店ですね.
FUJIFILM X70
カツ亭から少し行ったところに道の駅安達があり、そこで酪王カフェオレソフトクリームをいただきました.酪王カフェオレ好きとしてはやはり一度は食べておきたいもの.もちろん売店で酪王カフェオレそのものも買って、帰る途中でいただきました.
3泊4日で走行距離1,424kmと結構な距離を走った旅行でしたが、ロードスター自体が運転していて楽しい車ということもあり、いい旅行でした.年に1回はこの手の長距離旅行を楽しみたいものです.
2017/10/08
遅い夏休みを取って、ロードスターで旅行に出かけてきました.
旅行の目的地としては、
・加茂水族館に行ってみたい
・気持ちよくドライブできるところ
・宿泊数はとくにこだわらない
・行き帰りはできるだけ同じルートを通らない
というような条件で選定し、山形の加茂水族館と男鹿半島に出かけることにしました.
FUJIFILM X-Pro2 + XF35mm F1.4 R
FUJIFILM X-Pro2 + XF35mm F1.4 R
まずは関越自動車道に乗って新潟に向かいます.
自宅を9時くらいに出発して新潟に着いたのが13時近く.新潟の中心部にある、万代シティに車を停めて昼食にしました.
新潟に行ったら食べてみたいと思っていたのが「みかづき」の「イタリアン」.会社で新潟出身の同僚に「みかづき」に行こうと思うと話したら、なんでわざわざあんなものを、と言われてしまいましたが、やはり地元の名物は食べておきたいもの.店で食べましたが、ひっきりなしにお客さんが来ているところを見ると、新潟に根付いた人気メニューのようです.
ひとことでいうなれば、ソース味の太麺焼きそばにミートソースがかかったもの、でしょうか.美味しいのですが、なぜこのような食べ物が人気となったのか、不思議な感じもします.
FUJIFILM X-Pro2 + XF35mm F1.4 R
新潟から1日目の宿泊地である鶴岡までは、高速道路を使わずに一般道で移動しました.予算の都合もあるのですが、それよりも高速道路では高架や壁によって風景を楽しむことができないので.
新潟から鶴岡に向かうのであれば、やはり日本海を眺めるルートを選びたいもの.山間部を走る国道7号線ではなく海沿いを走る国道345号線をひたすら北上します.
場所によってはこんな海のすぐ横を通ることもあって、素晴らしい眺めでオープンにして走ると最高でした.しかしながら、この日はやや風も強く、タイミングが悪いと波しぶきがかかることも.自分はいいのですが、車に波しぶきは錆など悪影響が起きるので、ホテル近くのガソリンスタンドで給油を兼ねて洗車しました.ところがホテルに停めてから30分もしないうちに豪雨になり、せっかく綺麗になった車がちょっと残念な状態に……
FUJIFILM X70
夕食はホテル近くのレストラン「Dining 花」に.表通りから少し入ったところにある、観光客向けというよりもどちらかといえば地元のかた向けの店ですが、そういう店こそ美味しいものが食べられるというもの.
「厚切り銀ダラ定食」に「ちょこっと刺身」を追加.銀ダラ、脂が乗ってて美味しい.刺身もちょこっとと名前がつくわりにはしっかりしています.そしてなによりご飯が美味しいのはさすが山形です.
FUJIFILM X-Pro2 + XF14mm F2.8 R
二日目は朝から加茂水族館に.加茂水族館といえばクラゲ.入口の看板にクラゲがあしらわれているのはもちろん、道路標識の加茂水族館の案内もクラゲのイラストでした.
しかしながら昔からクラゲの展示に力を入れていたのではなく、始めたのは1997年のこと.しかもサンゴの水槽でたまたま生まれたクラゲを展示したのがきっかけというのですから、不思議なものです.
FUJIFILM X-Pro2 + XF14mm F2.8 R
FUJIFILM X-Pro2 + XF14mm F2.8 R
FUJIFILM X-Pro2 + XF14mm F2.8 R
FUJIFILM X-Pro2 + XF14mm F2.8 R
FUJIFILM X-Pro2 + XF14mm F2.8 R
多種多様なクラゲが飼育されています.形状もまちまちですが、真っ暗な水槽にプランクトンかなにかでしょうか、小さなものがたくさん浮遊している中にクラゲがいると、まるで宇宙に漂う宇宙船や人工衛星(はたまた未知の生物)のようにも見えます.
クラゲの給餌解説が開催されるというので聞いてみたのですが、給餌だけでなくクラゲについての基礎知識的なお話もしていただけました.
一口にクラゲといっても触手のあるものとないもので大別され、それぞれはまったく異なる種別の生き物だそうです.異なる生き物であるものの、人から見れば半透明でゆらゆらと漂っているのでどちらもクラゲ、というくくりでとらえられているのだとか.
FUJIFILM X-Pro2 + XF14mm F2.8 R
「クラゲドリームシアター」と呼ばれる、加茂水族館の中でももっとも有名な水槽です.5mの円形の窓に大量のミズクラゲが浮遊している様は見ていて飽きません.
FUJIFILM X70
展示を見終えたら昼時だったので水族館内にあるレストランにて昼食を.
メニューにもクラゲを扱ったものがいくつもありました.これはクラゲの刺身.クラゲは味がしないので、醤油の味のする柔らかな謎の物体を食べている感じでしょうか.
FUJIFILM X70
クラゲラーメン.具としてクラゲがのっていますが(なぜかキクラゲも)、それだけでなく麺にもクラゲが練りこまれているそうです.麺は弾力性があってなかなか美味しかったのですが、この弾力性がクラゲからきているものかどうかはちょっと判断がつきませんでした.具のクラゲはいわゆる中華クラゲ的な味のつけられたものでした.
FUJIFILM X70
麺リフトならぬ、クラゲリフト.
FUJIFILM X-Pro2 + XF14mm F2.8 R
売店で購入したクラゲソフトクリーム.クラゲアイスと両方売られており、クラゲアイスはクラゲが最初から入っており、クラゲソフトクリームはトッピングされているのが特徴.やはり味がしないのですが、食感は柔らかくトッピングとしては面白いのでここはもう一工夫してフルーツシロップ的ななにかで甘く味付けをしたら人気が出そうです.
加茂水族館を出発したらさらに北上して秋田を目指します(つづきます).
2017/10/01
FUJIFILM X100F
夏休みに実家に帰省したついでに名古屋駅近くにある、トヨタ産業技術記念館に行ってきました.
トヨタ産業技術記念館はトヨタ発祥の地といえる豊田紡績の本社工場跡地に建てられています.
FUJIFILM X100F
展示施設は「繊維機械館」と「自動車館」の2つに分かれています.トヨタといえば自動車の会社なので自動車館はわかるのですが、繊維機械についてはトヨタの元々の産業がそうだったというくらいの知識しかなかったので、それほどスペースを割く必要があるのかなと思いながら見はじめました.
施設内には多くの説明員さんがいて、詳しく説明をしていただけます.
最初の説明は綿花から.綿花から綿を取り出してゴミを取っていく方法、昔の紡績の方法など詳しく説明していただけます.
FUJIFILM X100F
展示されている機械の多くは説明をしながら実際に動かして、どのような動きをするかを理解することができます.
金属と木材、それに革製のベルトなどでできた機械類は眺めているだけでも興味深いです.
FUJIFILM 100F
創業者である豊田佐吉が最初に作り出した木製の人力織機から最後に開発されたG型自動織機まで展示されており、その進歩を知ることができます.とくに感じるのが今のトヨタにも通じる「改善」の意識です.最初に作られた木製の自動織機では一人一人が機械を操っていたのに、複数の機械を一人で受け持つようになり、その効率が上昇し、さらに糸がなくなったり切れた時に自動停止したり自動補給するシステムを開発するなど、その進化には執念に似たものを感じました.紡績と自動車、ジャンルは違えど技術の改善と進歩という点については共通したものがあり、そこが繊維機械館として展示が充実している理由のひとつなのかもしれないなと思いました.
FUJIFILM X100F
続いては自動車館.
最初に展示されているのが試作されたトヨダAA型自動車のできるまで.金属の特性を調べるための計測器の開発や、木型からボディを起こす工程などを知ることができます.
FUJIFILM X100F
大きなホールで展示されている過去の自動車と部品の製造設備など.
過去の車に関しては台数は少なめですが、車自体の展示は長久手にあるトヨタ博物館のほうにどうぞっていうことなのでしょう.
FUJIFILM X100F
エンジンの展示もされており、試作品もありました.これはロータリーエンジンの試作.ヴァンケルエンジンの開発をめぐってはマツダだけでなく世界中の各社が取り組んだとされていますが、トヨタもここまで作っていたとは知りませんでした.
FUJIFILM X100F
自動車用部品の進化のコーナーにあったカーステレオ.8トラックのテープデッキに一緒に展示されていたカセットがいい味しています.たしかにこういうテープありました.
FUJIFILM X100F
製造設備の展示も実際に動かすことができます.これは600tプレス機.これだけ巨大なものを自分の操作で動かすことができたのは初めてですね.
興味深いのがその操作方法.動かすだけであれば単純にスイッチを押させればいいのですが、かなり大きめの2基のスイッチを両手で押さないと作動しません.プレス機に限らず作業員が手などに怪我をするリスクのあるものは両手を使って操作ボタンを押させるのが安全対策として有効ですが、そうかこういうことなのだなと実感できました.
FUJIFILM X100F
ミュージアムショップで購入したスプーンとフォーク.スパナをあしらったデザインがいいですね.
「工具ではなくあくまでもスプーン/フォークとしてご使用ください」とありますが、まあこれを工具にする人はいないでしょう.
内容がかなり充実した博物館で、3時間ほどかけて見学しましたが、パンフレットを見ると見落としていたものがいくつもありました.ひとつひとつをしっかり見ていくと朝から閉館の17時までかかりそうです.
できれば再訪して時間をかけて全部を見て回りたいと思いました.