2017/04/19
映画『ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜』を観に行ってきました.
先日うどんを食べに高松に行った帰りに児島に立ち寄ったわけなのですが、児島駅はジーンズとともに「ひるね姫」のポスターや宣伝が多く飾られていました.映画自体の存在は知っていて、児島が舞台になっているのも知っていたので事前に観ておこうとは思っていたのですが、旅行直前まで仕事に追われていてそれもかなわず、結局は旅行から2週間ほど経ってようやく見ることができました.
主人公は高校生のココネ.彼女が見る夢と現実の世界が影響しあいながら話が進んでいく展開なのですが、興味深いのがテクノロジーの描かれかた.舞台は2020年、東京オリンピックが開催される3日前という設定で、オリンピックに選手を乗せて走行する自動運転車が物語のキーなのですが、従来の自動車(ハードウェア)と自動運転車(ソフトウェア)という対立構造になっているのです.ココネの夢の中でも車も工場もそしてあらゆる機械類もすべてハードウェアをその都度手動で動かしているのに対してソフトウェアは「魔法」という位置付けで使ってはならないものという、不浄なものとして扱われています.
ココネの夢の中でのソフトウェアが「魔法」として扱われているのは、ハードウェアのように目に見えるものではないからというのもあるのでしょうけど、「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」という、アーサー・C・クラークの「クラークの三法則」の一つにも通じるものがあるように感じました.
あまり詳細に触れるとネタバレになってしまいますが、ハードウェアよりもソフトウェアのほうが高度というか上位の位置付けとして描かれているのが気になりました.本来は車の両輪のようなもので、両方がバランスを持って成り立つことでより高度な技術として発展するものだと思うのですが.ソフトウェアを否定するわけではまったくありませんが、自動運転は個人的にはまだ信頼の置けるものではないと考えており、同時に運転する楽しさをもっと味わいたい自分としては、話の筋とは逆行しつつもハードウェアを応援したいなと思いながら観ていました.もっとも、あと3年たてば自動運転もいまよりはだいぶマシにはなるでしょうし、オリンピックのように交通規制を敷いた環境であれば事故の心配もなく走行できる可能性は高そうですが.
全体的な話の流れとしてはご都合主義とまではいかないものの、夢と現実をつなぐ部分をもう少し丁寧にしてほしかったなと感じました.
それから、舞台が岡山県倉敷市(児島)ということもあってか、ココネの父が「森川モモタロー」だったり、夢の中で登場するのが鬼であったり、土地の名前が「ヒルマウンテン」だったりと、ネーミングにいささか安直な印象もありました(ネタとしては面白いんですけどね).
2017/04/16
1年ほど前にセイコー プレザージュSARW011を購入してから、毎日時計をつけるようになったのですが、ちょっと困ったことが起きるようになりました.時計をつけている左のシャツの袖が擦り切れてしまうようになったのです.右側の袖は何も起きていないので、原因は時計と擦れているのは間違いないでしょう.使っている時計を見ると、プレザージュSARW011はきちんと面取りされているのに対してセイコー5はエッジが立っています.コストの問題以前として時計としての性格もあるのでこれはこういうものなのでしょうけど、シャツの寿命が短くなるのはちょっと嬉しくありません.かといってプレザージュだけ1本で行くのもちょっと味気ない…… ということで、もう1本時計を買ってみることにしました.
・予算は昨年より控えめで
・メカニカル(自動巻/手巻)
・シンプルなもの
・ややカジュアルより
という条件で探したところ、セイコーのメカニカルウォッチのシリーズである「SARB065」がよさそうだということになりました.ただ、セイコーのページには製品情報が掲載されていません.どうやら少し前に生産終了になったようです.日本のページには掲載されていませんが、アメリカのプレザージュのサイトには同じデザインの後継機種が新製品として掲載されていました.ただ、文字盤に「PRESAGE」のブランド名が入ってややデザイン的にせわしなく感じられるのと、ムーブメントが新型になって薄型化されたものの精度が落ち、リザーブの時間も減少しているなどのデメリットもあるため、在庫があるうちにとyodobashi.comに注文を入れました.注文を入れた時点で在庫僅少であり、その後も在庫のある店舗が減ってきているので、販売終了になるのも時間の問題のようです.
FUJIFILM X-Pro2 + XF35mm F.4 R
プレザージュSARW011(定価10万円)に比べると定価55,000円と約半値ということもあって、箱も簡素な感じです.
FUJIFILM X-Pro2 + XF60mm F2.4 R
正面から見るとシルバーがかったホワイトの文字盤に見えますが……
FUJIFILM X100F
斜めから見ると放射状に細かく刻まれた線に光が反射し、薄く青みがかって見えます.この絶妙な色合いが購入の決め手となりました.
FUJIFILM X-Pro2 + XF60mm F2.4 R
ちょっとわかりづらいですが、ガラスがエッジ部分でラウンドしており、そこがクラシカルな雰囲気を出しています.ガラス自体はサファイアガラスではなく、通常のガラスにハードコーティングを施したもののなので、傷には気をつけたほうがよさそうです.
FUJIFILM X-Pro2 + XF60mm F2.4 R
バンドはカーフでエナメルのような仕上げ、黒のバンドに青のステッチが入っています.個人的にはあんまり好みではないのと、時計とバンドの色があっていないようにも感じられるので、別のものに変えてしまおうと物色中です.
FUJIFILM X-Pro2 + XF60mm F2.4 R
裏面はシースルー仕様.キャリバーは6R15C.質実剛健な感じでしょうか.プレザージュSARW011のキャリバー6R27も質素な感じだと思っていましたが、6R27では回転錘に装飾が施されていたものがなくなりセイコーのロゴも刻印になっていたものがこちらではプリントになっています.
FUJIFILM X-Pro2 + XF60mm F2.4 R
どちらもお気に入りです.
FUJIFILM X70
バンドを交換してみました.雰囲気がだいぶ変わりますね.
2017/04/12
FUJIFILM X100F
5軒目.今日も朝からうどんです.
「こだわり麺や」という地元チェーンのうどん店なのですが、営業時間が6時半から15時までというのが、地元密着って感じがします.チェーン店で規模重視で営業するのなら夜まで営業しても良さそうなものなのですが.
FUJIFILM X100F
入り口のステッカー.香川県ではうどんからWi-Fi電波も飛ばすようです.
FUJIFILM X100F
スケジュール的にもこれが香川県での最後の食事になるので、最後らしくシンプルに「しょうゆうどん」を.そして付け合わせにちくわといいだこの天ぷらを.
昨日から5食続けてうどんばかり食べているのに飽きないのが怖いです.というか、「なにを食べるか」ではなく、腹具合に応じて「どのうどんを食べるか(なにを付け合わせにするか)」という発想になっているのです.
FUJIFILM X100F
ホテルを出て宇多津から坂出に、そして岡山行きの快速に.
この日は霧が出ており、瀬戸大橋線もこんな車窓でした.幻想的というか、なにも見えないというか.
FUJIFILM X100F
本州側に渡った一つ目の児島駅で下車しました.
最初に目につくのがこの自販機.ジーンズ柄です.そういえば児島ってジーンズが有名だったような…… ということを思い出しましたが、その後さらにすごいものを目にします.
FUJIFILM X100F
FUJIFILM X100F
FUJIFILM X100F
駅のそこかしこがジーンズ柄で埋め尽くされています.さらに3月に公開された映画「ひるね姫」が倉敷(児島は倉敷市)を舞台にしていることもあって、そのポスターなどもあり、なにやら圧倒されます.
児島で降りたのは知り合いのお店ができたので挨拶も兼ねてお邪魔しに行ったわけなのですが、バスに乗ったら運転手さんもジーンズを履いており、車窓に見える作業をしている方もジーンズを履いていたりと、やはりここはジーンズの街なのだなと思い知らされました.
FUJIFILM X100F
再び児島から電車に乗り、岡山で吉備線に乗り換え.吉備線は「桃太郎線」という愛称が付けられており、列車の到着時や車内アナウンスに童謡「桃太郎」の曲をアレンジしたものが流れます.そして車両も桃太郎のラッピングが.
FUJIFILM X100F
……と思いきや、側面はこんなアニメ絵の桃太郎と鬼が.まさかこの展開でくるとは思いませんでした.
FUJIFILM X100F
吉備津駅で下車し、吉備津神社に向かいます.
岡山でどこか観光しようと思った時に、後楽園、倉敷の町並み、そして吉備津神社と3つの選択肢で迷ったのですが、雨月物語の「吉備津の釜」というのが本当にあるというのを知って、では見に行こうということで選びました.
FUJIFILM X100F
吉備津神社といえば有名なのが国宝の本殿.「比翼入母屋造」、別名「吉備津造」と呼ばれる、吉備津神社ならではの様式です.
FUJIFILM X100F
御朱印もいただきました.
FUJIFILM X100F
境内では猫も眠っていて、土曜なのに参拝者も少なく落ち着いていました.
FUJIFILM X100F
吉備津神社の特徴の一つとも言える長い回廊.訪れる前に吉備津神社のページの地図で見たときには気づかなかったのですが、アップダウンがあり、しかも床はコンクリートで雨が降って濡れている状況だったので滑ります.
FUJIFILM X100F
回廊は途中で分岐しており、こちらに釜があるとの案内が.
FUJIFILM X100F
釜のところまできたら門が閉まっており、なにやら札が下がっています.
「午後三時をもって(この後ろがかすれてちょっと読めない)」時刻は15時15分.御朱印もらったり猫の写真を撮ったりしてまったりしていなければ間に合ったのに!と後悔することしきり.これは日を改めて再訪せねばなりませんね.
FUJIFILM X100F
夕方になってしまったけど、まだお昼を食べてないんで早めに空港に行ってなにか食べようと思って岡山駅まで戻ったのですが、空港行きバスの時刻表を見たらフライトスケジュールに合わせているらしく15:40のあとは17:00までバスがありません.1時間近く空腹でいるのはつらいなあということで岡山駅の駅ビルの中にある吾妻寿司で鰆(さわら)丼を.岡山界隈ではこの時期限定で刺身で食べられるというので、これは外せないなメニューを見た途端に即決.
鰆を表面を軽く炙ったもので、これがまた美味しいのです.
FUJIFILM X100F
岡山空港からJAL便で羽田に.岡山-羽田は新幹線が競合していることもあってか、特割で買えば15,000円くらいなのがいいですね.直接の競合がない高松-羽田だと特割でも25,000円くらいしてしまいますし.
天気はイマイチでしたが、桜の時期ぴったりに旅行できましたし、うどんをはじめとして美味しいものも食べられたので満足の一人旅でした.
移動ルートはこんな感じ.10時間くらいかけて鉄道で移動した距離を飛行機で1時間で戻ったわけですが、どちらもいいものです.
2017/04/11
FUJIFILM X100F
3杯めのうどんを食べたところで再び仏生山駅から電車に乗り、金刀比羅宮を目指します.
FUJIFILM X100F
階段を上り始めます.参道は両側に土産物店などが軒を連ね、さすがの賑わいです.
自分は借りませんでしたが、店によっては杖を貸してくれるところもありました.
FUJIFILM X100F
境内で唯一、商売をすることを許されているのがこの「五人百姓」と呼ばれる5軒の店.五人百姓は金刀比羅宮に昔からの貢献をしてきた見返りとして商売をここでしており、文献に残っているだけでも数百年もの歴史があるのだとか.訪れた時は1軒休みだったようで四人百姓でしたが.
売っているのは「加美代飴」という飴のみ.同じものが参道の土産店でも売っていますが、やはりここは歴史を感じるここで買いたいもの.ということで帰りに買って帰りました.一個が幅5-6cmくらいある扇型をしており、これを付属の金槌で砕いて食べるのです.会社への土産にしましたが、美味しいと好評でした.
FUJIFILM X100F
今回の旅行の目的の一つは桜を見ることだったわけですが、タイミング的にはぴったりでした.金刀比羅宮は桜の咲いている場所は限定的ではあるのですが、満開で見頃でした.
FUJIFILM X100F
もう少しで本殿.雨も降っており、人もそれほど多くありません.
FUJIFILM X100F
ようやく本殿に.「ブラタモリ」でもやっていましたが、金刀比羅宮は人気のある神社で寄進物などが多く、それを見せることもあって参道が曲がっていて距離もあるので、時間もかかります.
雨も降っていて、厳かな雰囲気があります.こんぴら狗のついたお守りと、御朱印をいただきました.
FUJIFILM X100F
天気がいいと遠くまで見渡せるようですが、あいにくの天候です.
FUJIFILM X100F
参拝を済ませたらちょうど3時のおやつの時間.
資生堂パーラーが運営している「神椿」が境内のすぐ近くにあるのでそこに立ち寄り、神椿パフェとカモミールティーをいただきました.神椿パフェには「おいり」という地元名産の引き出物などに使われるお菓子がのせられています.
FUJIFILM X100F
天気が悪いこともあって、下の方が霞んで見えます.
靴の選択を誤ったこともあって、雨で濡れた石段が滑るので注意して下ります.800段近い石段を上り下りしたので、ふくらはぎが筋肉痛になってしまいました.
FUJIFILM X100F
ことでんに乗って金刀比羅宮にやってきましたが、帰りはJR琴平駅に.
綺麗でモダンな駅だなと思ったら、リニューアル工事が完了したばかりだったようです.
FUJIFILM X100F
改札にも金刀比羅宮の社紋が.金刀比羅宮あっての琴平駅という感じがします.
琴平から宇多津に移動し、ここで宿泊.ホテルの部屋から宇多津駅が見える、いわゆるトレインビューのホテル.遠くに瀬戸大橋も見えましたが、この写真では見えませんね.
FUJIFILM X100F
FUJIFILM X100F
FUJIFILM X100F
うどん4軒目.ホテルから10分ほど歩いて「おか泉」に.
名物の「ひや天おろし」、そしておでん.食べ応えのあるエビ天2尾にサツマイモ、かぼちゃ、大葉の天ぷら.冷たいうどんだけあって歯ごたえを楽しめました.
つづきます.
2017/04/09
50分ほど遅れて高松に到着したうえに、小雨のぱらつく残念な天候.
まあなにはともあれ朝食だろうということでうどん屋に.
FUJIFILM X100F
FUJIFILM X100F
1軒目、「うどん さか枝」.セルフのうどん店.食べたのはきつねうどん.
セルフのうどんといってもいくつか種類があり、天ぷらなどのトッピングを自分で選びうどんは出来上がりを出してくれる店もあれば、ここのようにどんぶりにうどんの玉を入れられた状態で渡されて、自分で湯がいて蛇口からうどんつゆを注いで食べる店もあります.初めて行く店にしてはやや難易度が高い店を選んでしまったようで、湯がくのを忘れてそのままつゆを注いで食べてしまいました.香川出身のかたにあとから聞いた話では、通は湯がかずに食べるそうなのですが、最初はスタンダードな手法でいただきたかったものです.
というような感じでややぬるいうどんになってしまいましたが、しっかり煮込まれて味のしみ込んだ油揚げと相まって美味しいうどんでした.
FUJIFILM X100F
FUJIFILM X100F
FUJIFILM X100F
2軒目、「うどんバカ一代」.
本来なら、ここで栗林公園に立ち寄る予定だったのですが、サンライズ瀬戸が遅れたこともあって、栗林公園をスキップしてうどん店のハシゴを.
食べたのは釜バターうどん.注文すると生卵と醤油の入った容器を渡され、しばらく待っていると粗挽き胡椒のかかったうどんが出てきました.生卵を割り入れ、醤油をたらしてかき混ぜるとカルボナーラに近いものが出来上がります.脂と炭水化物、期待を裏切らない美味しさです.
FUJIFILM X100F
どちらも小を選んだとはいえ、うどん店のハシゴはこたえます.
散歩しながらゆっくり歩きことでんの瓦町駅に向かい、そこで「ことでん温泉乗車入浴券」を購入.このうちわを見せることで、仏生山温泉の入浴料金600円と、仏生山駅からの320円区間が乗り放題、さらにタオルまでつくというとてもお得な切符(というかうちわ)なのです.ちなみにこれと同じうちわが仏生山温泉でも売られていましたが300円でした.
FUJIFILM X100F
仏生山駅は車両基地が隣接しており、様々な車両を見ることができます.
左は元京王5000系、右は元京浜急行700系です.すれ違った別の元京王5000系は先頭の方向幕がLED化されているものもありました.
FUJIFILM X100F
FUJIFILM X100F
仏生山駅から歩いて数分、仏生山温泉にやってきました.
一般的な温泉のイメージからかけ離れた、モダンなつくりです.
温泉はややぬるっとした感触のものでした.露天風呂もあるのですが、2つあるうち片方はかなりの高温でもう片方は冷たいという言葉が似合うような温度だったので早々に退散して内風呂を堪能しました.自宅を出る前にシャワーを浴びてきたのですが、朝風呂はやはりいいものです.
FUJIFILM X100F
湯上がりはやっぱりコーヒー牛乳でしょう(ただしビンに限る).休憩室でコーヒー牛乳をやりながらぼんやりテレビを眺めていると、寝台特急で眠りが浅かったのか眠くなってきてしまいました.横になりたいのをがまんしつつ温泉を出ることに.
FUJIFILM X100F
FUJIFILM X100F
お昼どきとはいえ、ちょっとまだ朝食べたうどんが残っており、それほどの量は食べられません.仏生山駅近辺で行こうと思ってリストに入れておいたうどん店があったのですが、そこの売りは肉うどん.この腹具合でちょっと肉うどんは重たい、ここはあっさりしたものを選びたいと思い、仏生山温泉に行く途中で見つけた小さなうどん店「宮武製麺所」に入り、ざるうどんを.飛び込みで入っても期待を裏切らないのがうどん県のすごいところ.うどんが美味しいのはもちろん、つゆの出汁がしっかりしているのです.
つづきます.