2013/01/27
いろいろと書いてきた、DSC-RX1のまとめです.撮影した画像や、後日購入したオプション、感想など.
SONY DSC-RX1
F5.6 1/800秒 ISO100
工事の続く渋谷駅東口.収差補正などはオフにしてありますが、隅々まで色ずれもなくピントが合い、まったく文句なしです.素晴らしいレンズです.
SONY DSC-RX1
F2.8 1/80秒 ISO1250
渋谷駅の再編で、こうして高いところを走る銀座線もいずれ見られなくなるようです.
もうちょっと寄りたいところですが、バス待ちの列から撮ったのでどうにもならず.ズームがあると便利なシチュエーションではありますが、2,400万画素(6,000×4,000ピクセル)という高画素なので多少トリミングしても問題ないですね.
ただ、自分としては完全にオーバースペックな画素数でもあるので、一段階落として1,000万画素モード(3,936×2,624ピクセル)を常用してもよいかなとも思っています.RX1からiPhoneにFlashAirを使って無線LAN経由で画像転送することがあるのですが、枚数が多いと結構な時間もかかってしまっているので.
SONY DSC-RX1
F2 1/40秒 ISO100
SONY DSC-RX1
F4 1/10秒 ISO100
マクロ撮影.最短距離で撮ったものですが、絞り開放だとボケすぎて被写体の一部にしかピントが合わないです.
もう一枚はF4で撮ったもの.これぐらいのほうがよさそうです.
SONY DSC-RX1
F5.6 1/80秒 ISO2500
やや薄暗い店内で撮影した、つぼ鯛の一夜干し.
飲食店だとホワイトバランスに苦労したりするものですが、オートでも十分綺麗に撮れています.完全に修正するのではなくほどよい雰囲気に仕上げられています.
ISO感度は2500まで上がっていますが、ノイズはまったく気になりません.個人的にはノイズがあってもディテールが残っているほうを好むので、通常のNRはオフ、長秒時NRをオンにして使っています.
SONY DSC-RX1
F2.8 1/80秒 ISO1250(ピクチャーエフェクト:ミニチュア)
写真にエフェクトをかける機能も搭載されており、その中からミニチュアを試してみました.高さのあるところから撮ると、いかにもそれっぽくなりますね.グリーンかぶりしてしまっているのですが、ミニチュアモードによるなんらかの効果なのか単なる色転びなのかは不明.同じ場所で普通に撮ったほうは正常な色調だったのですが.
エフェクトはトイカメラやレトロ風、ハイコントラストモノクロなどがありますが、GR DIGITAL IVで気に入っているブリーチバイパスやクロスプロセスがないのは残念なところです.
SONY DSC-RX1
F8 25秒 ISO100
川崎の工業地帯で撮影.RX1には高速シャッターを連続で切って合成する「マルチショットノイズリダクション」という機能があるのですが、気温1度という寒さだったのでじっと立っていても震えてしまうような有様なのでブレまくりでした.
これは三脚を使って25秒かけて撮ったもの.以前に同じ場所でD700 + Makro-Planar 50mm F2で撮ったものと比べても遜色ないです.むしろホワイトバランスの正確さはこちらの方が上ですね.
【後日買い足したものなど】
Apple iPhone 5
RX1はバッテリ消費が大きく、最大撮影枚数はカタログスペックで220枚となっています.そのため旅行に出たときなどにバッテリ切れの可能性もあるので予備を1本購入することにしました.また、RX1は本体充電なので充電しながらもう1本のバッテリで撮影ということができないので、充電器も購入.
充電器は従来のソニー製デジカメのバッテリにも対応した製品でなにやら複雑な形状をした製品になっています.それに本体充電にも対応できるようにと、USB 1.5Aの出力も装備されています(バッテリ充電とUSB出力は同時利用は不可).そのためか、充電器としてはやや大きめです.
Apple iPhone 5
Apple iPhone 5
最後まで迷ったストラップは、ユリシーズのクラシコに.
金属パーツを使用せず、すべて革製なので本体への傷がつくこともなく安心です.革自体も柔らかく細身なので大仰な感じがないところも気に入りました.色はチョコレート、たすき掛けをするので長さはL.
【まとめ】
購入から1週間.あれこれと試し撮りしてみたり、会社に持って行って行き帰りに撮ったりもしてみましたが、買ってよかったと満足しています.値段が値段なので誰にでも勧められるようなカメラではありませんが、カメラ好き、メカニカルな感じの製品が好きなかたにはオススメできると思います.
買うまでちょっと懸念であった操作性やカスタマイズですが、GR DIGITAL IVほどではないにしても、カスタマイズできるボタンが5箇所あり、ダイヤルに好みのセッティングを3つ登録できるなど、使いやすく仕上がっています.
難点はやはり鞄の隙間に突っ込めるサイズではないので、普段から持ち運ぶのはやや厳しいこと.とはいえ、それは最初からわかっていたことですし、フルサイズの撮像素子を搭載していることを考えれば破格にコンパクトなので、難点というほどのものではないでしょう.
あえて重箱の隅をつつくような指摘をすると、
・アスペクト比が3:2、16:9のほかに1:1もほしい
・画素数M(1,000万画素モード)のときにスマートテレコンを使うと2,400万画素からトリミングして疑似ズーム的な使い方ができるが、さらに拡大すると自動的に画素数が460万画素になってしまう.これでは1,000万画素で撮ったときの画像をトリミングしているのと同じなので、標準の画素数を考慮した処理にしてほしい
・背面のコントロールダイヤルとコントロールホイールの質感が他に比べてイマイチ
・ピクチャーエフェクトやクリエイティブスタイルに銀塩フィルムのシミュレータ的なマニアックな要素がほしい
・WiFiやGPSに対応してたらよかったのに
というような点が上げられますが、それほど大きな問題点でもないですね.
2013/01/26
引き続き、RX1.
私が衝撃を受けたボディ外装について.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
RX1のボディ外装は金属製で、文字はほとんどすべて彫り込みでホワイトが入れられています.
一眼レフカメラでも、ペンタ部分のメーカーロゴがそうした仕上げになっているのは一般的ですが、他の部分は通常はプリントです.いかに手の込んだ作りになっているか、ソニーとしての意気込みのようなものを感じます.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
ボディ上面、いわゆる軍艦部分.
2つのダイヤルとシャッターボタン&電源スイッチ、そして「C」ボタンが配置されています.
左のダイヤルは撮影モード.一般的なM/S/A/Pに加えて、オート、シーンモード、パノラマ、動画、そして撮影者の好みをセットする1,2,3が用意されています.
右のダイヤルは露出補正.
シャッターボタンは同軸上に電源スイッチが配されており、このあたりはニコンの一眼レフと同じなので自分には使いやすいですね.シャッターボタンはケーブルレリーズ対応のねじ穴付きのものですが、感触が好きではなかったのでマップカメラ製のレリーズボタンをつけています.
Cボタンはカスタマイズ可能なボタンで、標準ではISO感度がセットされています.自分もそのままISO感度設定のまま使用しています.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
レンズ鏡筒.3つのリングが組み込まれており、レンズ先端から順に、MFリング、マクロ切り替えリング、絞りリングです.
MFリングは、ボディ正面右下のフォーカスモードをMFまたはDMFにセットしておくことで機能し、とくにDMFでは通常はAFで使いつつ、ピントを追い込む場合に使用します.AFでシャッター半押しでピントを合わせた後にそのままMFリングを回すと液晶モニタが拡大表示に切り替わり、さらにピントの合っている場所をピーキング表示までしてくれるのでとても使いやすいです.ちなみにこのMFリング、グリスのねっとりとした重みを感じる操作感がとてもイイ感じです.
絞りリングは1/3段刻み.ニコンの一眼レフ向けのツァイスレンズは1/2段刻み、そしてニコンのMFレンズは1段刻みと、メーカーごとにまちまちなところですが、個人的にはシンプルで素早く切り替えできる1段が好みです.
また、この鏡筒部にあるオレンジメタリックのリングは、ソニー製カメラでフルサイズの撮像素子を搭載したカメラであることを示すもののようです.デザインアクセントとしてなかなかよいのですが、「35mm FULL-FRAME CMOS IMAGE SENSOR」の表記は煩雑な感じがしていらなく感じます.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
レンズはCarlZeiss Sonnar 35mm F2.もちろんT*コーティング.
35mmクラスの焦点域のレンズだと一眼レフだとDistagon、レンジファインダーだとPlanarかBiogonあたりが使われるものですが、中望遠のイメージのあるSonnarです.個人的にはフィルムカメラとしてCONTAX T2を愛用していて、そのレンズがSonnar 38mm F2.8だったので、ちょっとした懐かしさを感じるところでもあります.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
レンズキャップも金属製.金属製のキャップは珍しいですね.裏面はプラスティック製で二層構造です.そうでないと、キャップを閉めるときにレンズに当たったりしたらレンズを傷つけてしまいそうですからね.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
レンズ側面にはツァイスのロゴが.プレート埋め込みのようです.
ニコンの一眼レフ用レンズだと、この青いロゴは入らないのでちょっと目新しさを感じます.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
ボディ正面右下にはフォーカスモードの切り替えダイヤルがあります.
AFとAF後に撮影者がMF調整できるDMF、そしてMFの3種類.発表段階ではコレに加えて「CAF」つまりコンティニュアスAFがあったのですが、結局途中の仕様変更でなくなりました.一眼レフカメラに比べてもAFがそれほど速いカメラではないので、CAFがあっても性能的に厳しかったのかもしれません.
ちなみに一気にシャッターを押しきっても、AFやDMFの場合はピントが合うまでシャッターは切れません.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
左側面の端子.端子カバーは一般的にはゴムやプラスティックの弾性を利用したフタですが、RX1は独立したパーツを使い、バネで開きます.
端子は上から順に、microUSB、HDMI、マイク入力です.
RX1は本体充電のため、ここに付属のUSB電源アダプタとUSBケーブルをつないで充電します.個人的に本体充電はあんまり好きではないので、別売の充電器を購入しました.充電時間は本体充電が約2時間半、充電器だと2時間とちょっと.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
ボディ底面.左側にメモリカード(SD、メモリスティック)とバッテリの装着部があります.
三脚穴は当然のようにレンズ同軸.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
外付けファインダはフォクトレンダー製の光学ファインダを選択.
純正で電子式と光学式がそれぞれ用意されていますが、電子式は接点の問題でサムグリップとの併用ができず、光学式はサイズが大きく角張っているので、デザイン的に好みであるこちらにしました.
一眼レフや電子式のファインダのようにレンズからの映像を表示するものではないので、パララックス(視差)があるのはどうしようもないところです.メリットとしては、両手に加えて目のくぼみの3点でカメラをホールドできるのでブレにくくなること、そして快晴下で液晶モニタが見づらい場合でも構図を決められるあたりでしょうか.まあ、見た目の格好良さが最大のメリットかもしれません.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
オプションのサムグリップ.アクセサリシューに取り付けて使用します.
アクセサリシューに差し込んでロックレバーを押し込むことで固定します.レバーを押し込まないと緩いままなので、脱落しやすくなります.
使わないときは左に倒しておくとカメラボディの曲面に沿うようにして邪魔になりません.右に倒すとその曲面がちょうど親指がかかるグリップとして機能するわけです.よくできたギミックです.右に倒した状態、つまり撮影時には再生ボタンとコントロールダイヤルが隠れます.このコントロールダイヤルはそれほど使用頻度の高いものではないのですが、半分ほど隠れた状態なので操作にはさして問題はありません.
なお、ソニー製カメラのアクセサリシューには奥に電子接点がありますが、サムグリップには接点のスルー機能がないので電子式ファインダは使用できません.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
背面のボタン類.上から順にAEロック、ファンクション、コントロールホイール、メニュー、削除.
右斜め上に動画撮影用録画ボタンがあります.使用頻度を考えてか、誤操作しないように他のボタンから離されている感じです.設定メニューから動画撮影モード以外ではボタンを無効にすることもできます.
これらのボタンのうち、AEロック、コントロールホイールの左、右、下にそれぞれ好みの機能を割り当てることができます.自分はAEロックはそのままAEロック、コントロールホイールの左にホワイトバランス、下にクリエイティブスタイル(画像の色調選択)、右にD-レンジオプティマイザー(ダイナミックレンジの補正機能)を割り当てています.
ファンクションボタンを押すと、画面の左右に各撮影機能が表示されるので、操作性はかなりよいと思います.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF
液晶モニタ全面に設定情報や撮影情報を表示する、クイックナビ機能も搭載されています.電子式ファインダや光学式ファインダを使用する場合には画面をこれにセットしておけば便利そうです.
液晶モニタはRGB3原色にホワイトを入れた123万画素の高精細なもので、かなり見やすいです.スペック的なものから推測するに、GR DIGITAL IVと同じ液晶だと思われます.
ダイヤルやリングが多く、オートで撮るよりも撮影者の好みや意思をカメラに設定できるような仕組みになっており、またAFがそれほど速くないこともあり、実際に撮ってみると速射性よりも一枚一枚を丁寧に撮るカメラという設計者の思想のようなものが伝わってくる感じがします.
Webの開発者メッセージによると「究極のセカンドカメラ」を目指したとのことですが、35mmという画角が気に入れば、RX1は十分メインカメラとして使える印象です.これ一台だけ持って旅行に出かけてみたいものです.
2013/01/22
引き続き、RX1について.
シャッターを数枚切ってみて、2点ほど気になったことが.
・シャッターレリーズ時に指に伝わる感触がイマイチ
・ストラップつけないとストラップ環が指に当たって不快
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF(トリミング)
RX1のシャッターボタンはこのようにねじ穴がついていて、昔ながらのケーブルレリーズが使える構造になっています.
実際にケーブルレリーズを使う人がどれほどいるかはわかりませんが、個人的にはちょっとノスタルジー方面に振りすぎじゃないのかという気もします.が、このねじ穴にシャッターボタンをねじ込んでサイズや感触を変えることができるのです.
中野を出て、向かった先は新宿.
まずはマップカメラの地下でストラップとシャッターボタンを物色.
ストラップは好みに合ったものがなくて断念.
シャッターボタンはショップオリジナルのものを実際に取り付けて感触や見た目を吟味して、艶消しブラックのやや大きめのものを購入.シャッターボタンのベース部分と同じサイズのボタンもあったのですが、指にかかる力が広く均一に分散されるほうが好みなので大きめのものを選びました.
Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2 ZF(トリミング)
ストラップはヨドバシカメラやビックカメラも見て回りましたが、どちらもそれほど力を入れていないのかこれといったものがなく、あきらめました.RX1の付属品としてストラップも同梱されているのですが、どうもあのメーカーロゴや型番が入ったストラップは使う気がしないのです.
SONY DSC-RX1
F8 1/80秒 ISO200
小田急デパートのレストランフロアに上がり、新宿駅西口を撮影.
画像設定はスタンダード、パラメータデフォルト.
SONY DSC-RX1
F8 1/80秒 ISO200
撮影しながらプレビューを見てシャープだなと感じていましたが、MacBookに取り込んでチェックすると、シャープがきつすぎる印象です.実寸で見る分にはよいのですが、2,400万画素、6,000×4,000ドットというプライベートユースにはオーバースペックに感じるほどの解像度を実寸で見るメリットよりも、Web用などに縮小したときにエッジが立ちすぎて違和感のあるデメリットのほうが大きそうです.シャープネスは±3段階で設定できるので、-2にしました.
色調補正は「クリエイティブスタイル」という名称で、スタンダード、ナチュラル、ビビッド、ポートレイトなどが用意されていますが、スタンダードがバランスよく感じました.
ダイナミックレンジの補正機能として、「D-レンジオプティマイザー」という機能が用意されており、デフォルトでオートでかかるようになっているのでそのまま撮影しましたが、左下の暗くつぶれているような箇所でもApertureでプラス補正するとディテールが出てきます.このあたりは、さすがフルサイズの最新撮像素子です.
SONY DSC-RX1
F2 1/160秒 ISO100
絞り開放での点光源のボケ.焦点距離35mmで絞りF2だとまあこんなものでしょうか.しかしコンパクトデジカメでこれが撮影できるというのはやはり驚きです.
2013/01/20
前回のつづきです.
購入したのは、
・ソニー Cyber-shot RX1
・ソニー レンズフード LHP-1
・ソニー サムグリップ TGA-1
・ソニー モニター保護セミハードシート PCK-LM15
・フォクトレンダー 35mmビューファインダー
の5点.しめて約27万円.
RX1には純正で電子ビューファインダと光学ビューファインダが用意されています.
電子ビューファインダのメリットは視野率が100%、つまり撮れるものと同じ画像がファインダに表示されます.そしてシャッター速度などの情報も表示されます.デメリットは液晶モニタなので実際のものと色味が若干異なるあたりでしょうか.画素数的にはかなり細かいので、以前のようにドットの粗さが目につくようなこともなくなったと思います.ただ、個人的には未だに電子式には馴染めないのと、見た目が格好悪く感じたのでパス.
光学ビューファインダのメリットはクリアに見えることに尽きます.あとは両手に加えて接眼部の3点でホールドできるのでブレにくいことでしょうか.デメリットはなんといってもパララックス(視差)が大きいので、ファインダで見ているものと実際に撮れる画像では範囲が異なります.とくに近距離ではその差がさらに大きくなります.それから、撮影情報なども表示されません.ただし、RX1にはそれをフォローするための機能として、液晶モニタ全画面に撮影情報を表示する機能を備えています.
純正の光学ビューファインダはツァイスブランドのもので、T*コーティングが施されたものです.コシナから売られているツァイスブランドの光学ビューファインダと形状が同じなので、製造はコシナでしょう.ただ、形状が四角くて自分の好みではないこともあって、あえてフォクトレンダー(こちらも製造はコシナ)の丸形のものを選びました.
それに対して、下取りに出したのは、
・CarlZeiss Distagon 25mm F2.8 ZF
・CarlZeiss Planar 50mm F1.4 ZF
・ニコン AiAF28mm F2.8D
・ニコン Zoom-Nikkor DX 18-70mm F3.5-4.5
・マンフロット 自由雲台 496
の5点.下取り金額は約7万5千円.まあ圧倒的に足りませんね.
Distagon 25mmは最短撮影距離17cmと、ほとんどレンズ前からピントの合うマクロ性能が素晴らしく、お気に入りのレンズではあったのですが、広角レンズでF2.8ではボケ等は期待できず、さらに絞り開放だと同心円状の目の回るようなボケが盛大に出ることもあって自分の手には負えない感じでした.Planar 50mm F1.4は昔から続くツァイスの看板レンズともいえるものですが、同じツァイスのマクロレンズMakro-Planar 50mm F2の性能がとにかく素晴らしく、使用頻度が少ないのでこれも手放すことに.ちなみにこの2本のレンズ、CONTAX RXを使っていたときにも使っていたレンズで、2度目のドナドナとなります.
さて.ここまでの計算では差額は20万円ほどもあるのですが、この差はもうちょっと縮まります.
まず、フジヤカメラは下取り査定の場合は査定金額が10%アップします.これで査定金額は8万円を超えます.さらに、特定の製品の場合、下取り商品があると本体価格が値引きされます.RX1にもこれが適用されて、8,000円引き.よって、総支払額は18万といくらかといったところになります.
支払いを済ませ、店を出て向かった先はフジヤカメラの2階に隣接しているルノアール.
私は我慢のできない悪いオトナなので、家まで大人しく帰るようなことはできないのでここで開封するのです.
コーヒーを注文し、カメラ本体に比べて大ぶりな箱を開け、カメラ本体を取り出します.高揚する一瞬です.バッテリをセットし、自宅から持ってきたSDカードもセット.そして側面のふたを開けてエネループモバイルブースタからのUSBケーブルを差し込みます.今回は購入を決めてから実際に購入に至るまで日数があったこともあって、こうした準備は万端です.
充電しながら細々とした製品の箱を開けて、フードをねじ込み、サムグリップを取り付け、さらにその上にビューファインダを取り付けます.さらに電源を入れてささっと初期設定とカスタマイズ.
Apple iPhone 5 + Hipstamatic
コーヒーを飲みながら、これはカッコイイと自己満足に浸り、そのコーヒーを意味もなく撮ってみたり.GR DIGITAL IVのときもそうでしたが、カメラを買うととりあえず喫茶店で初期設定をするので、1枚目の写真はコーヒーカップが写っていることが多いようです.
さらにつづきます.
2013/01/19
2012年の6月頃、ソニーは1インチセンサーという、コンパクトデジカメとしてはかなり大きなサイズといえる撮像素子を搭載した「DSC-RX100」というデジカメを発表しました.一般的なコンパクトデジカメに搭載している1/2.3インチサイズの撮像素子に比べて面積比で約4倍も大きく、ツァイスのレンズとの組み合わせもあってかなりの人気機種となりました.
それから3ヶ月.
突如としてネット上に「ソニーがフルサイズの撮像素子を搭載したコンパクトデジカメを出すらしい」という噂話が流れ始め、すぐに「DSC-RX1」として正式発表されました.「フルサイズ」とは、かつての35mmフィルムと同じサイズであることを指し、1/2.3インチの撮像素子と比べると30倍ものサイズになります.
発表されたRX1は、いろいろな意味で破格のデジカメでした.とくにレンズは単焦点のCarlZeiss Sonnar 35mm F2、フルサイズの画像領域をサポートするため一眼レフ並みのサイズのレンズが搭載され、沈胴もしないので奥行きは7cmほどもあります.そして価格は約25万円.
ばかげてます.どこの世界にコンデジに25万円出す人がいますか.そりゃフルサイズがすごいのはD700を使っているのでわかっています.でも同じ値段でフルサイズの一眼レフカメラが買えるのです.
と当初は考えて、ソニーご乱心くらいにしかとらえていませんでした.
それからさらに3ヶ月たって12月.
RX1は多少のスペック変更はあったものの、そのイカレたスペックのまま発売されました.しかも驚くべきことに、生産が追いつかないほどの人気ぶりでした.世の中不景気じゃなかったのかよと思いつつも、まあボーナスシーズンだし、マニアは一定数いるだろうね、とまだ静観していました.
そんな傍観者でいられたのもここまで.店頭に展示してあった実機を触ってみたら衝撃を受けました.
あらゆる点が驚きでした.フルサイズの撮像素子を搭載したカメラとしては例のないほどのコンパクトさ、すぐれた操作性、そしてもっとも衝撃だったのは異様なまでの作り込みです.
一般的なコンデジはプラスティックやらアルミの外装にボタンの説明がプリントされているのが常です.乱雑に扱われると、それがはがれてきたりしてみっともなくなったりします.が、RX1はボディがマグネシウム製.しかも文字などがすべて彫り込みでホワイトが流し込まれているのです.
さらに驚いたのは各種ダイヤルの感触.RX1には絞りリングやモードダイヤル、露出補正などいくつものダイヤルが搭載されていますが、そのそれぞれが重量感があるだけでなくそれぞれの目的に即した重さや感触をしているのです.
もう十分です.ソニーが素晴らしい製品を作り上げたことは十分伝わってきました.25万円は高いです.コンデジとして見たら常識外れな価格であることはいうまでもありません.しかし、その金額に見合う製品を作ってきたことは認めざるを得ません.この仕上がりの良さは2,3万円で買えるコンデジでは絶対に得ることができないものです.そのうち待っていれば大量生産でコストダウンされて低価格機に降りてくるようなものではないのです.買うことに決めました.
買おうと決めたものの、もうちょっと安くならないと手が出ないよねと思い続けて2013年を迎えました.
品薄状況も徐々に解消され、ゆっくりとですが値段も下がってきました.
欲しい、でも高い、でも無理すれば買えない金額じゃない、でも精神的に手を出しづらい、でも欲しい、いやでも…という感じで自分の中でも葛藤が続く日々を過ごしていました.
本体価格は25万円から徐々に下がりつつあるとはいえ、レンズフードは必須だし、ホールド性を高めるサムグリップも欲しい、実用性は微妙かもしれないけど光学ファインダも欲しい、となるとそれらのオプションだけでも5万円以上するのです.オプションまでずいぶんと高いなと思ったら、ご丁寧にもフードはアルミ削りだしなのだとか.そしてどのパーツも日本製.オプションで手を抜くような真似はしないということなのでしょう.
いい加減に根負けして購入検討に入り、手持ちの使用頻度の低いレンズなどを下取りするべく金額を調べたところ、多少なりとも現実味のある金額になってきたので、中野のフジヤカメラ店に行って購入してきました.
つづきます.
Apple iPhone 5