2011/08/12

アシモ、原発へ

Category: ニュース,社会・政治・世情一般 — Annexia @ 22:57

 「原発事故処理用のアシモ開発へ ホンダ早期実用化目指す」

 ホンダがアシモの技術をベースに、放射線量の高くて人の入れない場所で作業するためのロボットの開発を進めるそうです.
 原発事故の発生後にホンダにも質問が多く寄せられたらしく、WebのFAQにも「ASIMOに原発事故処理をしてもらえませんか。」なんていう項目が出ていました.それだけアシモに対する期待が大きかったのでしょう.

 放射能汚染の恐怖におびえながら人類は生活を送り、そして人間型ロボットが活躍する.

 SF小説や漫画の世界ではよく扱われるテーマですが、まさか実際にそのようなシチュエーションがやってくるとは、半年前に誰が想像できたでしょうか.幸か不幸かと問われれば、間違いなく不幸な形で21世紀という「未来」はやってきたようです.

 輝かしい未来技術の象徴として取り上げられることの多いアシモ.それがこうした形で原発に投入される.人が入れないような場所で作業を行ったアシモは当然ながら役目を終えたあとは放射性廃棄物として処分される運命に.つまり片道切符.どんなに功績を残しても博物館に飾られることもない.
 機械、ロボットとはいえ、なまじ人間に近い形をしているがゆえに寂しさや悲しさのようなものを感じるのは人間側の勝手な思い上がりというものでしょうか.

2011/08/11

NHKスペシャル「原爆投下 活かされなかった極秘情報」

Category: 社会・政治・世情一般 — Annexia @ 22:35

 先日NHKで放送された「NHKスペシャル「原爆投下 活かされなかった極秘情報」」を見ました.

 当時の実際に情報を扱っていたかたや、零戦に乗っていたかたの証言を交えた放送で、あらゆる面で非常に驚きの内容でした.

 内容を要約すると、
 ・戦争末期の日本軍は米軍のB29が出す無線を傍受していた(ただし最初のコールサイン部分のみ認識可能で、他は暗号化されており解読不能)
 ・その無線のコールサイン(V4xx、V5xx、V7xx)から、どの基地を離陸したB29がどれだけ空襲にきているか、おおよそどこに向かっているかまで解析しており、事前に各地の拠点に注意を出していた
 ・日本軍はアメリカが原爆を開発していることを知っていた
 ・日本軍も国内でウランを採掘して開発に着手するも、すでに開発の余力がなく断念していた
 ・ある日、今までにない「V6xx」という600番台のB29の編成が無線に登場する.しかし数が妙に少ない
 ・テニアン島を基地としているその編成がなんらかの訓練をしていることもわかっていた
 ・8月6日直前まで兵庫、愛媛、山口が空襲されており、これらの地域には空襲に向けて注意するよう指示が出されていた.
 ・周囲の空爆されている状況から広島が次の標的になり得ることが想定できていた
 ・8月6日早朝にB29が気象偵察目的に広島近辺に飛来していたことも知っていた
 ・それに続いてコールサインV6xxのB29が広島方面に向かっていることも察知していたものの、警報を出さなかった.結果として平時の無防備な状況のまま被爆
 ・ここまでわかっていて警報を出さなかったのは、日本が原爆開発を諦めたので、アメリカも開発できていないはず、という極めていい加減な推測によるものであった
 ・8月9日もV6xx編成が九州に飛来していたことも、長崎に原爆を投下する5時間前に判明していた
 ・九州の防御を担っている零戦のパイロットが迎撃準備をしていたにも関わらず、命令は出なかった
 ・当時東京では降伏するかどうかの会議を行っており、結果として長崎への原爆投下は放置された格好に

 ここまで情報を入手していながら、対策をなにも打たず国民を護ることすらしないという姿勢は、原爆投下から66年たった2011年でも変わりません.まったく同じことが繰り返され、同様に放射能の脅威にさらされています.隠蔽してやり過ごそうという姿勢はもううんざりです.

2011/06/29

ピタリスウェット

Category: 物欲,社会・政治・世情一般 — Annexia @ 23:01

ピタリスウェット

RICOH GR DIGITAL III

 今年は電源事情などにより、例年のように空調にべったり頼ることはできません.というよりも、空調に頼ることが原発を継続させる要因になるのであれば、ライフスタイル自体を考え直す必要も出てきます.

 空調に頼らない自衛策としてクール用のバスクリンなど様々なものを試していますが、塗るだけでひんやりとするクリームを紹介してもらったのでさっそく買ってきました.
 塗るだけでエアコンいらず!というわけにはいきませんが、しばらくの間はひんやり感が続きます.

2011/06/24

実際に見てみるということ

Category: 旅行・観光,社会・政治・世情一般 — Annexia @ 18:05

広野IC

RICOH GR DIGITAL III

 数日前に休暇をとって常磐道方面に出かけてきました.
 常磐道は1車線をふさいで道路工事をしていたり、補修痕が生々しいところもあったりと、地震の影響がまだ残っていました.

 常磐道の終点は常磐富岡ICですが、その1つ手前の広野ICですべての車がおろされます.ここから先は福島第一原発から半径20km圏内になるため立ち入り禁止です.
 広野ICを出ると、目の前に巨大な煙突が見えてきます.東京電力の広野火力発電所です.また、左手方向には原発対策の拠点と化している「Jヴィレッジ」があります.自分が通過したときも大量の車がとまっているのが見えました.

 インターより北側は20km圏内で一般車両進入禁止のため、ここから南側のいわき市方面に向かいます.
 建物の損傷はそれほど多くはないのですが、ブロック塀などが崩壊しているところがいくつか見受けられました.また、常磐線と並行する区間では、鉄道の電柱が斜めになっているところもありました.常磐線は久ノ浜駅までしか運行が再開されておらず、そこから先は手つかずのままです.
 国道6号線をずっと南下し、久ノ浜駅まできたところで漁港のほうに向かうと、凄まじい光景が目に飛び込んできました.テレビやWebなどで見ているのと同じ状況ではあるのですが、津波がすべてをさらっていった、だだっ広くがれきが散乱した土地を目の当たりにすると言葉に言い表しがたい恐怖感がしました.
 6号線は海辺近くを通ることもあるのですが、そうした場所では津波の影響を受けたとおぼしき家がそこかしこにあり、これが現実とはいえ見ていて辛いものがありました.
 帰りは小名浜方面を経由して6号線で日立まで行き、そこから常磐道に乗りました.

 しばらく前から、原発の近辺の区域や津波の被災地を見てみたいと思っていました.興味本位といわれれば否定できない側面もありますが、テレビやWebを通して見ることと、実際にこの目で見ることではちょっと違うのではないかと思い、訪れることにしました.
 原発、放射能の影響については目に見えないこともあって具体的になにかを感じるようなものはありませんでしたが、津波の恐怖についてはTVで見るそれとは全く違うものを感じました.

2011/06/03

政治不信

Category: 社会・政治・世情一般 — Annexia @ 12:59

 ・・・まあ、以前から不信でしたが.

 なんかもう、最悪ですね.被災地の方々がこれだけ苦しんでいるさなかに内閣不信任案を提出すること自体が個人的にどうかと思っていたのですが、それだけ現在の内閣、というか総理大臣がダメということなんですよね.多少の政治空白とかを犠牲にしても内閣を刷新する方が結果として良くなるんであれば仕方のないところかなと思っていたら、直前になって「メドがついたらやめる」と言い始め、それに翻弄される形で内閣不信任案は否決、そしてそのあとで「原発が冷温停止したらやめる」とかいい加減なことを言い始める始末.
 原発事故が重要なのはいうまでもないことですが、今回の震災の被害者は原発関係だけじゃないですし.そもそも原発云々をネタにして自分の首相生命を無理矢理延長しているだけのようにしか見えません.

 「メドがついたらやめる」に振り回されて、直前になって内閣不信任案に「反対」を投じた民主党議員も情けないです.この人達は自分の頭で考えるということができないのでしょうか.これでは単なる頭数あわせにしかなっていません.この程度のことしかできない連中を何百人も国会議員として養っていくこと自体、ムダとしかいいようがありません.

 でも、かといって、自民党が政権とって元に戻ったら万事収まるかといわれれば、そうでもない気がします.なにしろ、これだけ大量に原発を作ってきたのは自民党のセンセイがたですし、しばらくしてしれっと原発を推進し始めるかもしれないのですから.

 まっとうな政治家や政党が少ない(ゼロとはさすがにいいませんが)のが、この国の最大の不幸でしょうね.どんなに国民ががんばっても無策無能の利権に溺れた政治家がすべてを台無しにしてしまう.利権まみれのズブズブの関係をただそうとしても、そうした法案を出すのが当の本人達なのですから骨抜きの法案しかできあがりません.
 ここまで酷くなったのは政治家だけでなく、政治とか関係ないやと他人事のように見ている国民が多いというのも原因の一端であると思いますし、なんとかそういう方向性をただしていくべきなのでしょう.まあいろいろと難しいですね.