2014/01/22

旅カメラとしてのGR

Category: カメラ・写真,旅行・観光 — Annexia @ 23:59

 以前に「旅カメラとしてのRX1」というのを書いたので、同様にGRについても考えてみたいと思います.

 まずは自分の考える旅カメラに求められる条件をリストアップしてみました(括弧内はGRの適合度).
・荷物の邪魔にならないそこそこのコンパクトさ(○)
・風景を撮るための広角レンズ(28mmくらい、できれば24mm)(○)
・遠くのものを撮るためのズーム(×)
・夜景を撮るための高感度特性、手ぶれ補正(○ or ×)
・食べ物を撮るためのマクロ(○)
・どこで撮ったかを記録するためのGPS(×)
・バッテリ長持ち(△)

 RX1に比べると○が多いですが、単焦点でWi-FiやGPSといった付加価値要素の少なさからくる欠点はRX1と変わりません.
 個別に検証してみましょう.

・荷物の邪魔にならないそこそこのコンパクトさ(○)
 IXYなどのような小型モデルに比べれば大きいですが、電源を切ればレンズはほぼフラットに近いところまで沈胴しますし、APS-Cというセンサーサイズを考えたら非常にコンパクトであるといえます.

・風景を撮るための広角レンズ(28mmくらい、できれば24mm)(○)
 28mm単焦点なので、ここは合格.

GR001358

RICOH GR
F5.6 1/45秒 ISO100

・遠くのものを撮るためのズーム(×)
 単焦点28mmではどうにもなりません.ただし、それを補う機能として35mmと47mmのクロップ機能が用意されています.クロップ、要はトリミングなのですが、あとからトリミングするのと違い、フレーミングが最初から35mmや47mmになっていること、周辺減光といったエフェクトがきちんとそのクロップに対して働くので重宝しています.
 同様の機能はRX1にも搭載されていますが、RX1はRAW撮影時には使えないといった制限があるので使いづらいのですが、GRはそうした制限もなく使えます.

・夜景を撮るための高感度特性、手ぶれ補正(○ or ×)
 手ブレ補正機能は搭載されていませんが、高感度特性に優れておりISO3200程度まではそれほどノイズを気にすることなく撮影できます.また3段階のノイズリダクション機能を備え、ISOいくつからいくつまでNR弱にする、といった柔軟な設定ができるところはさすがGRです.

GR000122

RICOH GR
F2.8 1/20秒 ISO3200

・食べ物を撮るためのマクロ(○)
 センサーサイズが大型化された影響で、GR DIGITAL IVのレンズ前1cmに比べて10cmと退化しています.とはいえ、通常の食べ物撮影では困らないレベルに収まっています.欲をいえば1cmまではいかなくても5cmくらいまで寄れたらよいのですが.

GR001086

RICOH GR
F2.8 1/45秒 ISO100

・どこで撮ったかを記録するためのGPS(×)
 GPSは撮影場所を記録しておく分には必須ともいえる機能ですが、自分はGPSロガーを持ち歩くのでそれで代用しています.

・バッテリ長持ち(△)
 公称値の最大撮影枚数は290枚.実際には撮影した画像をチェックしたり、フレーミングに時間をかけるのでそこまではもちません.なので予備バッテリは必須です.
 純正のバッテリは量販店でも3,000円ほどしますが、同じものがシグマからBP-41という型番で出ており、値段もほぼ半額なのでそちらを使用しています.


 コンパクトさや広角28mmというレンズのおかげでRX1よりも高評価です.
 難癖をつけるのであれば、GRは普段使いしているカメラなので、旅行先でも使うのはなんていうか味気ないというかスペシャル感がないような気もします.その辺もあって、最近の旅行ではRX1をメインにして食事などをさくっと撮影するような場合にGRを使うといった、使い分けをしています.

2014/01/18

RX1を購入して1年

Category: カメラ・写真 — Annexia @ 22:56

 ソニーのフルフレームの撮像素子を搭載したレンズ固定式デジカメ「DSC-RX1」買ってから1年が経過しました.

 レンズ固定式、つまり一般にコンパクトを呼ばれるタイプのデジカメとして初のフルフレームセンサーを搭載したカメラで発表当時から非常に大きなインパクトがありましたが、いまだに真っ正面から対抗できる製品というのは登場していません.
 対抗馬がいないということは価格競争も存在しないということでもあり、デジカメは値崩れの激しい商品だというのに、1年たっても1割程度しか価格が下がっていません.

 1年間使ってみての感想などをまとめてみたいと思います.


【外観】

DT7_0196

Nikon D700 + CarlZeiss Makro-Planar 50mm F2

 とにかく素晴らしいです.RX1の価格を最初に知ったときにボッタクリだと感じましたが、店頭で現物を見たときにその思いは吹き飛びました.ダイアルは金属製で、ほとんどの文字は彫り込みでホワイトが入っているその手のかけようは文句がありません.


【画質】
 ケチのつけようのない、最高の画質です.後述するような不満点があってもこのカメラを使い続けているのはこの画質があってこそです.
 レンズはCarlZeissブランドのSonnar 35mm F2.レンズ固定式デジカメにしては大きく、存在感のあるレンズがついています.「これってレンズ交換できるんでしょ?」と聞かれたことがあるほどです.
 しかしレンズが交換できないことはデメリットではなく、むしろレンズが交換できないゆえにこのレンズの性能をフルに生かすための設計がなされているため、ここまでの画質が得られるようです.Zeiss製の35mm F2レンズはニコンとキヤノン向けにDistagonが、ライカMマウント向けにBiogonが用意されていますが、ここまでの画質には至ってないのもやはり専用設計によるところが大きいのでしょう.

DSC01310

SONY DSC-RX1
F5.6 1/80秒 ISO1600

 フォーカスのあっているところはキリッとしたシャープさがありながらもふんわりとボケていく画質は最高です.

DSC00994

SONY DSC-RX1
F8 1/40秒 ISO6400

 高感度特性も素晴らしく、ISO感度の上限設定を6400にして使っていますが、ノイズをさして気にすることなく撮影できます.


【AF性能】
 AFは過度の期待はできません.合焦速度は遅く、また特に暗い場合などにAFが迷います.迷った揚げ句にAFを放棄することもままあります.スナップ撮影や動くものの撮影にはあんまり向いていないと言えるかもしれません.
 ただ、これは画質とのトレードオフの部分も多々あるのではないかと思っています.画質をあげるために大きく重たいレンズを採用しており、このレンズをAF駆動させているわけですから合焦速度も遅くなるのも仕方のないことかもしれません.とはいえ、暗部性能をもう少し高めてもらえればと思うことは多々あります.


【操作性】
 「MR」機能と呼ばれる、モードダイアルにユーザ設定を3パターン登録できる機能は便利です.自分はRICOH GRも持っており、そちらにも同様の機能が3つあるので、同じような感覚で操作できます.
 それに加えて、シャッターレリーズ横の「C」ボタン、カーソルの左右下の3ヶ所に任意の機能を割り振ることができるなど、カスタマイズ性は高いです.かと思えば、背面のカーソル部分のホイールや再生ボタン横のダイアルは動かしてもなんの反応もなく遊んでおり、ちょっともったいない状態です.

 それから、このカメラ最大の不満といえるのがRAW撮影への対応の悪さ.ピクチャースタイルやクロップ、ダイナミックレンジオプティマイザーのレベル調整など、様々な機能がRAW対応していません.RAW+JPEG同時記録の撮影時にも対応しておらず、RAWは素の状態でJPEGのみに設定が反映された状態で撮影してくれればよいのですが、機能自体がそもそも選べません.ファームウェアのアップデートなどで対処できるレベルじゃないのかと思うのですが、ソニーの他機種も同じような仕様なので不具合や操作上の難点という認識はしていないようです.

 レンズ上に配置されたマクロモード設定や、絞りリング、フォーカスリングは操作しやすいです.


【周辺機器・オプション】
 購入と同時に純正オプションとしてフード、サムグリップ、液晶保護シート、後にバッテリと充電器を購入しました.
 フードは専用品らしく作りもよくバヨネット式できれいに収まりますが、逆付けは不可なのが残念なところ.
 サムグリップは中央部分にヒンジがついていて使わないときは畳んでおけるのですが、そのヒンジが遊びが大きくてカタつきます.カメラを安定して構えるためのグリップがカタつくなんてのは論外です.しかもサムグリップはアクセサリシューに取り付ける構造になっているのですが、シューにロックする爪が浅いのでかばんの出し入れやどこかに当たったりするだけで簡単にロックが緩んで外れてしまいます.一度だけですが、サムグリップ上につけていた他社製の光学ビューファインダもろとも外れて床に落下させてしまったこともあります.作りが甘いと言わざるを得ない部分です.
 結局、サムグリップは純正品は使わずに、サードパーティ製の他機種向けのものを入手して現物あわせしながら削ったものを使っています.


【その他・雑感】
 「ソニーのものづくり精神の復活」の象徴として取り上げられることの多い、このRX1.たしかに意欲作であり、センサーやレンズまで含めて自社で作ることのできる、ソニーならではの製品といえます.が、ハード面では優れていながらソフト面での弱さが目立つという、ソニーが昔から持っている弱さがこの機種にも受け継がれているのが残念なところです.

 不満なところは多いカメラですが、最初に書いたように代わりとなるようなカメラは現状ではまだ存在しません.
 センサーサイズがAPS-Cの富士フイルムのX-E2に23mm F1.4の組み合わせは35mm換算でほぼ同じレンズスペックになりますが、レンズ交換式ゆえにボディサイズがRX1よりもかさんでしまいます.同じソニーでフルフレームで小型でレンズ交換式のα7/7Rもありますが、35mmレンズはF2.8と一段暗いのとボディサイズもやはりネックではあります.
 なので、画質とコンパクトさの両立という観点からも手放せないカメラであることは間違いありません.
 将来的に見て、RX1の後継機種こそがRX1のライバルとなりそうな気もします.

2013/12/23

2013年を振り返る – 買い物編

 今年も残すところあとわずか.
 恒例となった、1年を振り返る企画.まずは買い物編.おおよそ1万円を超える製品をリストアップ.

1月 SONY DSC-RX1一式
3月 Google Nexus 7(32GB)
5月 AutoExe タワーバー、フロアクロスバー
5月 RICOH GR
8月 Canon IXY3
9月 Bluerounge PostalBag
9月 Apple iPhone 5S
11月 RICOH GV-2
11月 Apple iPad mini Retina Cellular
12月 MONTGOMERY ダッフルコート

 カメラ関係は3台.カメラは1年に1台だけ、というルールを自分に課していたはずなのに、どうしたことでしょう.

DSC02624

SONY DSC-RX1
撮影地:丸の内 F2.8 1/80秒 ISO500

 カメラというくくりではなく、トータルでみても金額的に群を抜いているのはDSC-RX1ですね.購入にあたって、Zeissのレンズ2本を含むレンズ4本と自由雲台1台を下取りに出したのですが焼け石に水な感じでした.
 35mmフルフレームの撮像素子を備えた初のレンズ一体型デジカメですが、2013年末になっても肩を並べる性能のデジカメは他社からは出てきていません.まさに孤高の存在.
 ただし欠点もいくつかあります.まず全体的に速度が緩慢なこと.起動時間も遅いですし、AF速度も決して合焦速度が速くないうえに暗いときには精度も怪しいことも多々あります.また、JPEGで撮る分には多種多様な機能をフルに使えるのですが、RAWで撮るとクロップやエフェクトなど機能制限が多いのも困ったものです.自分はRAW+JPEGで撮影しているので、JPEGだけエフェクトをかけたりするようなことができればよいのですが、そういう融通も利きません.JPEGの画質はきわめて優秀なので、JPEGのみにしてすべての性能を享受するというのもアリなのですが、心配性が災いして可能ならばRAWで抑えを…と思ってしまうのです.
 動作の緩慢さや操作性のネガが嫌になって代替となるような製品を探したこともあるのですが、比類しうる性能の製品はないですね.ネガが多くても出てくる画質は他の追随を許しません.車に例えるのならば、コーナリングや機敏な動きは劣るものの最高速は出る、小型ボディに大型エンジンを積んだ車といったところでしょうか.次にあげるGRの対極とでもいうか、スナップシューティングに向いていないカメラだと思います.

GR001259

RICOH GR
撮影地:山寺 F5.6 1/60秒 ISO100

 GRは銀塩カメラのGR1から連綿と続く、リコーの看板カメラ.自分が最初に手にしたのはGR DIGITAL IIのときで、III、IVと使い続け、今回のGRでは撮像素子がAPS-Cサイズにまで大型化されたこともあって、発売日に予約して購入しました.
 1/1.7インチからAPS-Cサイズに一気にセンサーサイズが大型化されたにもかかわらず、ボディサイズはほとんど変わっていないため、画質や性能的に大丈夫かと一抹の不安をかかえつつの予約購入でしたが、まったくの杞憂でした.本当に素晴らしいカメラに仕上がっています.唯一、センサーサイズの大型化と引き換えにマクロの近接距離が1cmから10cmに遠くなりましたが、それ以外はまったく不満がありません.毎日鞄に入れられるサイズもあって、もっとも使用頻度の高いカメラとなっています.RX1同様、車に例えるのならば、最高速はまずまずなかわりに加速性やコーナリングでの機敏さに優れた、ライトウェイトスポーツカーといったところでしょうか.RX1とよい補完関係にあるともいえます.
 GV-2はリコー純正の光学ファインダです.電気信号などがきているわけでもないので撮影情報も表示されませんしパララックス補正もないのですが、「覗き込んで撮影する」という、ややもすればオールドスタイルな撮影スタイルととられがちな、でも銀塩時代から続く撮影の楽しさを感じさせてくれるアイテムです.

 IXY3はスクエアな形状と真っ赤なボディカラーが気に入り、1万円という処分特価で出ているところを狙って購入した製品です.1/2.7インチセンサーをさらに中央部分のみ使い、実質的には1/3インチ程度のセンサーサイズしかない製品なので画質には期待できませんが、300mmオーバーものズームを備えており、コンパクトなこともあって鞄の奥底に常に潜ませています.まあ、28mm単焦点でふだん事足りるほどに望遠の必要性をまったく感じていないので、出動機会はかなり低いですが.車に例えると、軽自動車のワンボックスみたいな感じとでもいうか、限界は早々にくるもののちょっとした所用には便利な1台です.


 つづいてコンピュータ関係.
 スマートフォンをiPhone 5からiPhone 5Sに買い替え、タブレットをNexus 7(2012)とiPad mini Retinaの2機種を購入しました.
 iPhone 5から5Sへの買い替えによる最大のメリットは電波環境の改善です.auと契約しているのですが、iPhone 5は2GHz帯しか使えないこともあってエリアの狭さや速度に不満がありました.5Sになって800MHz帯が使えるようになったことで、満足のいく速度を得ることができたと感じています.もちろん、5Sそのものの処理速度の向上も大きなポイントです.
 Nexux 7は、自分の知識がiOSに偏っており、Androidのこともある程度知っておいた方がよいだろうということで購入しました.Google純正の端末ということもあり、常に最新バージョンのOSが使えて安定性もあるなど、よくできた製品だと思います.ただ、やはり自分がiOSに慣れていることと、TwitterクライアントやePUBリーダに気に入ったものを見つけることができなかったりして、会社の机の上が定位置と化してしまっています.
 iPad mini Retinaは、いってみれば待望の製品でした.昨年iPad miniが出たときに、そのサイズに大いに惹かれたのですが、いかんせんRetinaディスプレイに慣れた目からするとドットの荒さを感じるディスプレイの製品は手を出す気にならず、じっと1年間我慢していたのですから.今までは自宅でiPadの3代目を使っていましたが、そのリプレースのみならず、Cellularつきの製品を選んだこともあって常に持ち運ぶ製品となっています.


 そのほか.
 車関連は補強パーツを追加したくらいで大きな変更はなし.
 ココのパーツをメッキに交換したいとか、サスペンションをアレにとか、自分には手に余る代物だけどカムをあそこのにしたいとか欲望はあるのですが、宝の持ち腐れでもあるしコストパフォーマンス的にどうなのかとか、過度にいじるのはどうかと思うので、財布に余裕ができたらなんかイジるかも、というところでしょうか.
 鞄や衣類はそれほど手を出さず.鞄は通勤に使っていたものがダメになったので購入したのと、ダッフルコートを買ったくらい.


 来年の物欲は、どうでしょうね.
 夏にロードスターの車検があるので、ちょっと出費がかさみそうです.
 カメラはニコンDfが欲しいなと思いつつもサイズに躊躇しているので、わかりませんね.RX1の後継機が出て不満点が改善されていたら買い替えることでしょう.しかし、RX1のウリである画質は、あの重たくて大きなレンズを駆動させることによって生み出されているので、速度面での劇的な改善は難しいような気もします.
 iPhoneはなんだかんだいって毎年買い替えているので、また買い替えるのかも.

2013/11/11

GV-2

Category: カメラ・写真,物欲 — Annexia @ 23:49

 昨日、休日の昼少し前.
 前々から気になっていた、GR用の外付け光学ファインダGV-2の価格でも見てみるかと思ってカメラ店のWebを見たら、中古で美品のファインダが出ていました.中古でもまあ問題はないしなぁ、どうしようかなと思いつつとりあえずいったん保留して、だらだらと休日を無為に過ごし、夕方になってやはり気になってWebを見たらまだ売れ残っていたので、新品の2/3程度だったらアリだよね、ということで注文しました.

GR001522

RICOH GR

 そして翌日.光学ファインダを買ったつもりなのに、妙に大きな段ボール箱が届きました.
 注文間違えたかなと一瞬不安になりましたが、開梱すると大量のエアクッションの中にプチプチにくるまれた小さな光学ファインダが.

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RICOH GR

 右が今回購入した28mm光学ファインダ GV-2.左はRX1に使用しているVoigtlander製の35mm光学ファインダ.Voigtlander製のほうが見やすいのですが、ずっしりとした金属製なのでGRに取り付けるには重たすぎます.

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Apple iPhone 5s

 GRに取り付けたところ.カッコイイです.
 言うまでもないことですが、GRはデジカメなので液晶ファインダがあればたいていのシチュエーションは事足ります.しいていえば、晴天下で液晶が見づらいときには重宝するくらいでしょうか.あとは手持ちで低速シャッターを切るときに両手とファインダの3点で押さえてブレを軽減できるというメリットもあります.
 光学ファインダはレンズと連動しているわけでもないのでパララックス(視差)が発生してファインダで覗いたものと撮影されるものにはズレが生じます.
 なのでまあ正直言って自己満足の世界といえなくもないです.が、フィルム時代からカメラを趣味としているものとしては、「ファインダを覗く」という行為はやはりワクワクするものなのです.

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Apple iPhone 5s + Hipstamatic

 純正品らしく、外装の仕上げや感触はカメラボディに近いざらっとした仕上げです.当然ながらフラッシュなどに干渉したり、操作の妨げになるようなことはありません.
 「GV-2」「28」の文字はいらないような気もします.

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Apple iPhone 5s + Hipstamatic

 アスペクト比は4:3.上下に小さな突起のようなものが見えるのは1:1撮影時の目印です.
 自分は3:2メインでたまに1:1で撮るので3:2だとよかったのですが、あくまで目安なのでそれほど気にする必要もないでしょう.

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Apple iPhone 5s + Hipstamatic + Distressed FX

 GRはGR DIGITAL IIから4世代にわたって使っていますが、外付けファインダを買ったのはこれが初めてです.以前にも欲しいと思ったことはあるのですが、買うまでには至りませんでした.
 GRになってファインダを買おうと思ったのは、やはりGRがカメラとして完成度が高いからでしょう.今まではイメージセンサーが小さいこともあって、絞りをいじったりするようなカメラとしての楽しみが希薄なところがありました.が、GRになってAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載するようになってからは撮る楽しさ、表現する楽しさのようなものが一気にアップし、自分の中で「カメラらしいカメラ」という認識が強まった気がします.光学ファインダを付けることで、カメラとしての楽しさはアップすることでしょう.

2013/11/05

ニコン Df

Category: カメラ・写真 — Annexia @ 23:35

「ニコン、往年の銀塩一眼レフを思わせる「Df」」

 少し前から噂が出ていた、レトロ風味のデジタル一眼レフが「ニコン Df」として正式に発表されました.

 特徴は、
・シャッタースピードダイアルやISO感度ダイアルなど、アナログな操作系を搭載し、昔ながらの使い勝手を追求
・「非Aiレンズ」と呼ばれる、ニコンFマウント初期(1977年より前)のレンズが使えるように設計
・ニコンの最上位モデル「D4」と同じイメージセンサーを搭載
・ベースとなったモデルはD600/D610(のように見える)
・ニコン製フルフレームデジタル一眼レフとしては最軽量の710g
といったところでしょうか.

 デザイン的にもやや旧さを狙った感じのように見受けられます.
 個人的には正面左側にあるサブダイアルを見てCONTAX G2のフォーカシングダイアルを思い出しました.今回のサブダイアルはフォーカシングではなく絞りのないレンズで絞りダイアルとして使うためのようです.

 非Aiレンズに正式に対応したのも魅力です.デジタルカメラになってイメージセンサーの性能も格段に上がった結果、レンズも旧型では解像度が追いつかなくなってカメラの性能をフルに引き出すのは難しくなっています.とはいえ、レンズは製品によって特徴もありますし、その違いを楽しむのが趣味というもの.ニコンFマウントは50年以上の歴史を誇るマウントではありますが、この非Aiレンズは現行のデジタル一眼レフ機の上位モデルには取り付けることすらできません.下位機種ではコストダウンが思わぬ方向に作用して取り付けできますが非推奨ですし、カメラ側はレンズがついているこすら認識せず、マニュアル露出での撮影が必要になります.このDfは非Aiレンズ取り付け時にボディと干渉しないような仕掛けが用意され、専用の撮影モードを備えているのです.

 この機種の噂を見たときに「【フォトキナ】「カメラおやじ趣味」はまだ続く。新ジャンル機も鋭意開発中」という記事のことを思い出しました.この記事に出てくる「リコーのGR DIGITALに対抗する製品」というのはCoolpix Aとして発売されました.同様に記事に出てくる「ルーティンでモデルサイクルを維持している開発組織が行なうべき正常進化とは別に、カメラと写真文化の発展の方向を考えるのが後藤研究所の仕事です」という、既存の流れから外れた製品がついに出てくるのだろうなと思ったのです.
 そしてやはり、「ニコンDfの発表会で後藤哲朗氏が企画説明」とあるように、後藤さんが手がけた製品であることが表明されました.
 後藤さんはF3からD3までのニコン一眼レフを開発された方で、D3開発後は「後藤研究室」を設立し、ニコン社内で助言する立場についています.後藤研究室については「後藤哲朗氏本人に訊く:ニコンが設立した「後藤研究室」とは」という記事に詳しく書かれています.また、「リコー開催の「GR PARTY」に、ニコン後藤哲朗氏がサプライズ登場」というように、他社とも親交の深いユニークな方でもあります.

 さて、このDf、発売価格は安い店でも25万円程度と、なかなかの値段です.とはいえ通常のデジタル一眼レフよりも手間のかかった構造を備え、日本製ということを考えると妥当な値段といえる気がします.
 とはいえ、D700から買い換えるかというと微妙なところでしょうか.方向性は支持しますが、操作系がかなり煩雑に見えます.アナログな操作系を追求するのであれば、もう少しデジタルを感じさせるボタンのたぐいは減らしたほうがよいような気もします.