2013/10/16

α7とRX10(その1)

Category: カメラ・写真 — Annexia @ 20:34

「ソニー、ミラーレスカメラでフルサイズセンサー搭載の「α7R」」
「ソニー、1型センサーのハイズーム機「サイバーショットDSC-RX10」」

 ソニーから新しいデジカメやレンズなどが発表になりました.
 カメラ本体に限ると、「α7」「α7R」「DSC-RX10」の3機種が発表されました.

 それぞれ、ユニークな点も多い製品ではあるのですが、機種のネーミングなどで自分は混乱しました.

■ かつて「α-7」というカメラがミノルタから発売されていたのに、ハイフンがないだけの同じ名前の「α7」という製品を出したこと(ソニーはミノルタから一眼レフ事業を引き継いだ)

■ 従来は一眼レフ(途中から「レフレックス」はなくなりましたが)の製品を「α」として出してレンズマウントは「Aマウント」、ミラーレスの製品を「NEX」として出してレンズマウントは「Eマウント」と称していたが、Eマウントなのに「α」の名前を冠した製品を発表した(海外では廉価機種にαっぽい外見にEマウントの製品をすでに出している)

■ ソニーには「DSC-RX1」「DSC-RX1R」というデジタルカメラがあり、両者の違いはローパスフィルタの有無だけであるのに対し、今回発表になった「α7」と「α7R」はローパスフィルタの有無だけでなく、イメージセンサーの画素数やAF方式も異なるなど、単純に型番の末尾に一文字付け加えるとかいうレベルの違いではない

■ 「DSC-RX10」の上位と下位機種には「DSC-RX1」と「DSC-RX100(M2)」があるのだが、RX10はその中間の機能というものでもなく、デザイン的にも別ラインの製品である

■ ソニーはスマートフォン向けのデジタルカメラとして「DSC-QX10」と「DSC-QX100」を出しており、DSC-QX100のほうはDSC-RX100に準拠したスペックを備えた製品であるのに対して、DSC-QX10とDSC-RX10はイメージセンサーサイズなどまったく異なる製品である

 なんらかのロードマップがあって、社内では計画をたてて製品をリリースしていると思われますが、買う側(そしておそらく店員も)は混乱しそうですね.
 「α-7」と「α7」を間違えるとか常識的にないだろうとか、QX10とRX10で迷うヤツはいないとかというツッコミもありそうですが、型番の整理くらいきちんとしてほしいものです.

【補足】
 こちらの記事によると、これからはNEXの名前をやめてαに一本化するそうです.同じαでもマウントが異なるというのも混乱しそうですが、ブランディングのために一本化するという感じでしょうか.

2013/10/03

GRファームウェア Ver.2.03

Category: カメラ・写真 — Annexia @ 21:00

Apple iPhone 5s

「初の「リコーGR」機能拡張ファームウェアが公開」

 リコーGRのファームウェアアップデートが公開されました.
 多くのメーカーは不具合の修正のためにファームウェアアップデートを行いますが、GRは初代のGR DIGITALからずっと不具合修正だけでなく機能追加のためにファームウェアアップデートをしてきました.
 GRとしては今回が初のファームウェアアップデートとなります.

 主な追加項目は
・絞り解放時の最高シャッター速度が1/2,000秒から1/2,500秒に高速化
・再生モードで起動した状態で撮影するためにはいったん電源を切らなくてはならなかったが、シャッターを切ることで撮影モードに移行できるようになった
・従来の35mmクロップに加えて47mmクロップが追加
・撮影の設定をする際にOKボタンではなくシャッターボタンでも確定できるようになった

 改善項目として画質の向上やマルチパターンAUTOホワイトバランスの色再現度が向上しました.
 また、変わったところではEXIFのメーカー名表記が「PENTAX RICOH IMAGING」から「RICOH IMAGING COMPANY, LTD.」に変更になりました.GRはリコーの製品だったのでペンタックスとの合併後に「PENTAX」の文字が入るのに若干の違和感を感じていたので、なんとなくすっきりした感じではあります.

 機能追加として注目したのは47mmクロップ.クロップ機能をボタンに割り当てることで28mm-35mm-47mmと焦点域を瞬時に切り替えることができるようになりました.
 しかし、要はトリミングなので「画角が狭くなる=画素数が落ちる」ということにもなります.28mmだと1,600万画素で4,928×3,264ドットだったものが、35mmクロップでは1,000万画素で3,936×2,608ドットになり、さらに47mmでは560万画素で2,912×1,936にまで減少します.
 28mmの画角で画素をフルに使って撮影し、あとからトリミングすればいいという見方もできますが、撮影するときのフレーミングとしてはトリミング前提で撮影するのと47mmのフレームで撮影するのでは違いますからね.

 再生モードで起動した状態からすぐに撮影モードに移行できるのは便利です.今まではいったん電源を切って、再度電源を入れ直さなくてはならなかったので、一手間省けることになります.

 設定項目をシャッターボタンで確定できるようになったのは、今までのGR DIGITAL IVまではできていたことなので、まあ従来通りに使えるように戻ったという感じでしょうか.

 前述したように、こうして機能を熟成してくれるメーカーはレアなので(他には富士フイルムくらい)、リコーの姿勢は評価したいと思います.

RICOH GR
Firmware Ver.1.11
F4 1/40秒 ISO800 マルチパターンAUTOホワイトバランス

RICOH GR
Firmware Ver.2.03
F4 1/40秒 ISO500 マルチパターンAUTOホワイトバランス

 旧ファームウェア(Ver.1.11)と新ファームウェア(Ver.2.03)の比較.どちらもJPEGで修正はなし.
 以前に撮影したものを比較も兼ねて夕飯にいただいてきました(単に食べたかっただけともいう).
 露出が違っていたり、光源からの距離などの要素の違いもあって単純な比較はしづらいのですが、これを見比べる限りではマルチパターンAUTOホワイトバランスの色再現度はたしかによくなっているようです.

2013/09/05

ソニー DSC-QX10/QX100

Category: カメラ・写真,コンピュータ — Annexia @ 01:47

「速報:ソニー「レンズスタイルカメラ」 QX10 / QX100 発表。無線接続でiPhoneにも対応」

 以前から噂になっていた、ソニーの「レンズスタイルカメラ」こと、DSC-QX10とDSC-QX100が正式に発表されました.

 QX10は1/2.3インチセンサーを搭載した、10倍ズームモデル、QX100はDSC-RX100M2と同様の1インチセンサー、ツァイス製レンズを搭載したモデル.RX1とRX100の関係から、てっきりQX10のほうが高性能モデルだとばっかり思っていましたが、逆でした.

 この製品に内蔵されているのは、
・レンズ
・シャッターボタン
・メモリカードスロット
・Wi-Fi/NFC通信機能
・バッテリ
 つまり、通常のデジカメにあってこの製品にないのは液晶モニタということになります.で、その液晶モニタの代わりにスマートフォンを使用し、撮影したものもスマートフォンに送信する、というのが大きな特徴ということになります.

 スマートフォンとデジカメ、この両者は機能的に重なるところがあるものの(正確にはスマートフォンがデジカメの領域を侵食している)、両方の機能を高レベルで兼ね備えた機種というのは今のところ存在しません.高画質の撮影を行うためには大型のセンサーが必要ですが、スマートフォンにはそれをのせるだけのスペースもないですし、大型センサーの画質を活かすレンズを搭載するためには厚さがどうしても必要となります.
 そこで、この両者をうまく結びつけるための実験的ともいえる取り組みがいろいろとなされているのが現状です.
 デジカメ寄りの立ち位置の製品としてまず最初に登場したのが、Eye-Fi.SDメモリカードにWi-Fiを搭載して、通信機能を持たないデジカメでもスマートフォンやPC、クラウドサービスなどに画像を送信することができるようになりました.最近ではデジカメ本体にWi-Fiを搭載するモデルも多くなり、使い勝手もだんだんとこなれてきました.
 今回の製品は開発はCyber-shot部門、つまりデジカメサイドからの製品ではありますが、立ち位置的にはスマートフォン寄りといえる製品です.なにしろ、スマートフォンがないと製品として成立しないのですから.

 Eye-FiやFlashAirなど、通信機能内蔵SDメモリカードは好んで使用している自分ですが、今回の製品はいくつかの理由からそれほど物欲を刺激されません.
 ・持ち運びの問題:合体させて持ち歩くのはかさばるし邪魔.スマートフォンとこの製品の2つを持ち歩くのだったらWi-Fi通信のできるデジカメでもよいのでは?
 ・撮影までの時間:デジカメだったら電源を入れてさくっと撮影できるけど、今回の製品はスマートフォンと通信が確立するまでに時間がかかりそう.目の前にあるものをすぐ撮りたいときにはこれは痛い.かといって、常にWi-Fiを生かしておくのもバッテリ的に厳しいんじゃないの的な.
 という2点が引っかかります.
 逆にカメラを独立してフリーアングルで使えるため、チルトする画面なんかの比ではないくらい撮影の自由度が上がるので、そうした面では面白い使い方もできそうです.

 いずれにせよ、デジカメとスマートフォンの両方を手がけている数少ないメーカーである、ソニーらしい製品であることは間違いなさそうです.

2013/08/25

カメラストラップ3種

Category: カメラ・写真,物欲 — Annexia @ 23:00

RICOH GR

 今使っているストラップも気に入ってはいるんですが、もうちょっと違ったものを使ってみたいという思いや、気分転換も兼ねてストラップを3つ購入してみました.
 購入したのはいずれもユリシーズの製品です.

RICOH GR

 IXY 3用にミニモ.イタリア語で「最小の」という意味から名付けられた、ローズウッドを使った、木製フィンガーストラップです.
 IXY 3はスクエアな形状をしており、持ちやすさや使いやすさよりも見た目の美しさを優先したデジカメですが、この穴に人差し指を通すと、落とす心配もなく安心してカメラを構えることができます.
 エッジ部分はきちんと面取りされており、木製だからといって当たりがきついということもありません.ただ、自分の指には穴が大きすぎるので、バリエーションでもう少し小型のものがあればいいのにと思いました.

SONY DSC-RX1

 GR用にスプートニク.スプートニクというと旧ソ連の人工衛星を思い浮かべますが、ロシア語で「旅の道連れ」を意味するそうです.

Canon IXY 3

 最大の特徴は、このリング部分がサイズ可変なこと.手首に通したあとで引っ張るとリングが締まり、落とす心配がゼロになります.

RICOH GR

 RX1用にスリングショット
 「スリングショット」はいわゆる「パチンコ」(駅前にあるヤツではなく、ゴムで石などを飛ばすほう)の意味.革紐と肩当ての革がその形状に似ていることから命名されています.

 実は、以前にRX1で使っていたストラップもユリシーズ製の「クラシコ」(旧モデル)でした.革も柔らかくて当たりもよく、気に入っていたのですが、アジャスタのないシンプルなストラップが使いたくなったのと、クラシコを購入するときに非常に迷ったスリングショットを使ってみたいということから手を出してみました.

 たすき掛けをするので長さ120cmのLを選択.長さ120cmはクラシコで自分が使っているサイズそのものであり、ぴったりでした.
 ちょっと気になったのはストラップ取り付け部分の金属製リング.やや口径の大きなものが使われており、指にあたるのです.もう少し小口径のものに交換したいところですが、革を傷つけずに交換するのは難しそうです.

Canon IXY 3

 GR用のスプートニク、RX1用のスリングショット、いずれも色はチョコレートを選択.スプートニクは8色、スリングショットは5色のカラーバリエーションがあるのですが、ついついこの色を選んでしまいます.

2013/08/24

カメラマガジン2013年9月号

Category: カメラ・写真,書籍 — Annexia @ 21:55

RICOH GR(ブリーチバイパス)

 カメラマガジンが高級コンパクトカメラ特集をやっているので購入してきました.

 高級コンパクトカメラ.なにをもって「高級」とするのかはよくわかりませんが、とりあえずセンサーサイズでいうと1/1.7インチ以上の機種が掲載されていました.
 値段的には最も高いのはライカX VARIOの約34万円.キヤノン、ニコンあたりのセミプロ向けのフルフレーム一眼レフボディを買ってお釣りが来る金額ですね.カメラの性格や位置づけ、サイズ、レンズが交換できるか否かなど、まったく違う土俵の製品なので比べること自体に意味がないですが、なかなかいいお値段であることは確かです.

 「コンパクトデジタルカメラ」、略して「コンデジ」という表記について.
 以前はレンズの交換できないセンサーサイズの小さい「コンパクト」と、レンズが交換できてセンサーサイズの大きな「一眼レフ」という明確な二極分化ができていたのですが、技術の進歩によって「一眼レフ」の「レフ」を持たないマイクロフォーサーズに代表される製品が登場し、そしてコンパクトもAPS-Cやフルフレームといった大型のセンサーを積んだ機種が登場するなど、両者の境界は曖昧なものとなりつつあります.
 もはや、かつてのような「コンパクト」「一眼レフ」という名称での区別は無理であり、「レンズが交換できるか否か」という点でしか区別できないのが現状です.なので、「レンズ固定式デジカメ」「レンズ交換式デジカメ」といった呼び方が妥当なのかもしれません.フジヤカメラのWeb通販の商品区分もいつの間にかそういう区分けになっていました.


 それはさておき.
 個人的にはソニーDSC-RX1RリコーGRの記事が多かったのがよかったです.
 RX1とRX1Rの比較が出ていましたが、ローパスフィルタの有無による違いは確かにあるものの、「ただし、大伸ばしプリントでもしない限り、判別は難しい」との文章もあり、もはや高次元すぎて重箱の隅レベルなのかもしれません.

 それから、興味を惹いたのが「INSTANT LAB」.iPhoneで撮影した画像をポラロイドで「再撮影」する装置という、説明しても意味が伝わりづらい製品です.iPhoneで撮影した画像を紙で残すのであればプリンタで印刷すればいいだけのことではありますが、そこをあえてポラロイドでもう一度撮影して味わいのある画質にするというところがミソでしょうか.