2016/03/11
早いもので、震災から5年が経過しました.
その間にめざましい復興を遂げたところもあれば、まだまだこれから、そしてまったく手付かずというところも多くあります.4年後にはオリンピックが開催されます.そのときまでに一定の復興を遂げて海外にアピールしたいという政府の意向もあるようですが、オリンピックの準備のために土木関係の人員が割かれて復興がままならないという事態にはなんだか皮肉のようなものを感じます.
昨年は2月に山形、4月に会津、7月と12月にいわきに旅をしました.自分にとってできる復興の手伝いは旅行をするくらいがせいぜいなので、これからも東北の地を訪れたいと思っています.
2016/03/10
今週の前半は社員旅行で松本に出かけていました.
そのうち1日は自由行動の時間が取れたので、X70を手に松本や周辺をぶらぶらと歩いて撮影を楽しんできました.
(写真は一部のものを傾き補正しGPSタグを付加した以外はX70でのJPEG撮って出しです)
FUJIFILM X70
PROVIA F5.6 1/450秒 ISO400
まずは松本から篠ノ井線に乗って姨捨へ.
FUJIFILM X70
PROVIA F5.6 1/800秒 ISO400
姨捨駅.高台にあることもあって珍しいスイッチバックの駅で、この写真の奥は行き止まりになっています.
立派な駅舎ですが、利用者数の少ないこともあり無人駅であり、各駅停車しか停車しないので特急列車はスイッチバックに入ることなく駅の下側の線路を通過していきます.
FUJIFILM X70
パノラマ撮影
姨捨駅は日本三大車窓と呼ばれるうちの1つで、善光寺平と呼ばれる平地を眼下に望むことができるのが魅力です.
駅のホームからやや突き出した展望台のようなところからパノラマモードで撮影しました.両端に駅のホームが見えていますが、その下に別の線路が見えています.松本から姨捨駅に入ってきた列車は姨捨駅で進行方向を変えて少し進み、再び向きを変えてこの下の線路を走行して長野方面に向かいます.
FUJIFILM X70
PROVIA F5.6 1/800秒 ISO200
姨捨駅に入ることなく、長野に向かう特急「しなの」.
FUJIFILM X70
PROVIA F5.6 1/850秒 ISO200
長野からやってきた各駅停車.いったん姨捨駅よりも先に進み、向きを変えて姨捨駅に入線してきます.
FUJIFILM X70
Classic Chrome F4 1/340秒 ISO200
FUJIFILM X70
Classic Chrome F2.8 1/800秒 ISO200
松本まで戻り、松本城近くにある洋食店「おきな堂」に.
写真は前日に散策していたときのもの.旅行前に食事をするところや喫茶店などを調べており、候補の一つとして考えていた店ではあるのですが、このクラシカルな趣のある雰囲気に魅了され、明日絶対にここでお昼を食べようと決めたのでした.
FUJIFILM X70
Provia F4 1/60秒 ISO400
豊富なメニューから迷って選んだのが、ハヤシハンバーグ.
1週間煮込んだというハヤシライスに分厚く香辛料の効いたハンバーグ.洋食店らしさあふれる一皿です.
FUJIFILM X70
Classic Chrome F4 1/60秒 ISO250
食後にコーヒーと自家製プリンのセットを.
小ぶりながら濃厚、そしてプルプル.
FUJIFILM X70
Classic Chrome F5.6 1/1300秒 ISO200
松本城の近くにある「旧開智学校」.
明治初期の建築物でかつて小学校として使われていました.
FUJIFILM X70
Classic Chrome F5.6 1/1600秒 ISO200
斜めになっていたのを修正.歪曲収差のほとんど気にならないレンズは極めて優秀です.
建物全景を撮影したかったのですが、敷地いっぱいで撮影しても35mm換算28mmのレンズでは収まりませんでした.
FUJIFILM X70
Classic Chrome F5.6 1/1400秒 ISO200
特徴的なバルコニー.「擬洋風建築」と呼ばれる、和風と洋風が混在した建築手法でとても面白い建築物です.
FUJIFILM X70
Classic Chrome F4 1/60秒 ISO2500
建物内部は当時の教育に関する資料館となっています.
FUJIFILM X70
Classic Chrome F5.6 1/1300秒 ISO200
松本城.旧開智学校もそうですが、歴史的な建築物には独特の落ち着いた色調のフィルムシミュレーション、クラシッククロームが似合います.
FUJIFILM X70
Classic Chrome F5.6 1/500秒 ISO200
昼食に訪れた「おきな堂」近くまで戻り、「宿とコーヒー まるも」に.店名が示すように、正面は喫茶店ですが、側面に回ると宿になっています.
FUJIFILM X70
Classic Chrome F4 1/60秒 ISO2500
民芸品好きには有名な店だそうで、落ち着いた雰囲気の店内は味わいのある家具や小物だらけです.
FUJIFILM X70
Classic Chrome F5.6 1/60秒 ISO6400
モンブランとコーヒーのセット.ゆったりとしたひと時を過ごすことができました.
喫茶店だけでなく宿のほうにも泊まってみたいと思いましたが、調べてみたら喫茶店に負けず劣らず雰囲気がよく、しかも値段も抑えられていることもあって大人気のようです.
今回の旅行はX70のみを持って行きましたが、これ1台で不満のない撮影ができました.
コンパクトなサイズながら、センサーは上位機種のX-T1やX100Tと同じものですし、メニュー構成もそれらとほぼ同等、そしてフィルムシミュレーションも同等なので機能的に不足がないのです.また単焦点28mmということを補う35/50mm相当のデジタルテレコンで擬似的ながらも寄れた写真を撮ることができ、重宝しました.
このままではX100Tの立場がなくなってしまいそうなほどにX70、大活躍です.
2016/02/28
『シャーロック 忌まわしき花嫁』を見てきました.
今回の内容に関しては、今までの3つのシーズンを見ていることが前提となっています.
「シャーロック」は現代の話としてスマートフォンやSNSを駆使したストーリーが展開されますが、今回は同一キャストで時代はヴィクトリア朝.通信手段は電報がいいところで、移動手段は馬車です.
上映時間は約2時間ですが、本編は約90分ほど.上映前にシャーロックの部屋にある小道具の解説をする短い映像があり、本編上映後にメイキングやインタビューを交えた20分ほどの特別映像があるという構成になっています.
「シャーロック」を見ている人であれば本当に楽しめる映画ですし見るべきだと思いますが、逆に見ていないと「???」という感じになりそうです.そういう点では見る人を選ぶ映画といえるかもしれません.「シャーロック」自体がとても面白いので、まずはそちらを見ていただければと.
2016/02/27
映画『オデッセイ』を見てきました.
地質探査のために火星にやってきていた研究者が砂嵐に巻き込まれ、退避する途中で一人が死亡したと誤認されて取り残されてしまい、限られた資源と過酷な環境下で地球に戻る挑戦をするという物語です.
「愛情」とかそうしたものからくる、ありがちなご都合主義がなく、科学的見地から(もちろん自分も科学には疎いのでそのように見えるだけなのかもしれませんが)解決策を探っていく様子は見ていて説得力がありますし、見入ってしまいました.とくにNASAが火星にある機材を使って地球に帰るための助言をするシーンは「アポロ13号」での実話を彷彿とさせるものがありました.
科学・宇宙好きならばオススメできる映画です.
2016/02/25
前回に引き続き、富士フイルムのX70.実際に撮ってみた感想など.
FUJIFILM X70
PROVIA F7.1 1/250秒 ISO200
新宿の店舗で購入したので、駅前で目立つこのビルを試し撮り.
まずはカメラを「AUTO」にしてどんな感じか様子見.絞り値がF7.1とわりと中途半端なのに対してシャッター速度が1/250秒、そしてISO感度が標準値の200なところから、十分な明るさのある環境ではシャッター速度1/250秒を基準に絞り値で露出を合わせていく設計のようです.
同じ構図から絞り優先AEにして絞りF8でも撮ってみましたが、もちろん遜色ない画像になりました.遜色ない画像になったということはAUTOでも信頼の置ける撮影ができるということでもあります.
FUJIFILM X70
PROVIA F5.6 1/250秒 ISO200
場所を移動して御茶ノ水へ.御茶ノ水駅前のビルに直射日光が当たって反射しているところを撮影.直視しづらいくらいの明るさでしたが、画質に悪影響もありません.
FUJIFILM X70
PROVIA F2.8 1/60秒 ISO1000
喫茶店「みじんこ」でハンバーグサンドとビターコーヒー.普段持ち歩くカメラとしてはこの手の食べ物撮影をすることが多いかと思いますが、ホワイトバランスオートで程よく雰囲気のある写真が撮れています.
FUJIFILM X70
PROVIA F2.8 1/60秒 ISO1000
寄ってみました.絞り開放で撮影しましたが、ここまで寄るとさすがに被写界深度が浅いので1段くらい絞ったほうがよかったかもしれません.X100Tのレンズは絞り開放でマクロ撮影すると収差がすごくてソフトフォーカスレンズのような画質になりますが、X70のレンズは開放でも絞っても撮影距離にかかわらずシャープです.
オートマクロでなおかつ最短撮影距離10cm(後述しますが実際にはもっと寄れます)というのは食べ物撮りには重宝します.
FUJIFILM X70
PROVIA F5.6 1/200秒 ISO400
X70のコントロールリングには標準で「デジタルテレコンバーター」といわれる、デジタルズームの一種ともいえる機能が割り当てられています.これにより35mm換算で35mmと50mmの画角の撮影ができるという触れ込みなのですが、そうはいってもディテールは甘くなるんじゃないの?と思って試してみました.
まずは基準となる28mmそのまま.
FUJIFILM X70
PROVIA F5.6 1/280秒 ISO400
次はデジタルテレコンバーター、35mm.
FUJIFILM X70
PROVIA F5.6 1/210秒 ISO400
そしてデジタルテレコンバーター、50mm.
予想以上に画質がいいです.ドットバイドットで見ればもちろんディテールにゆるさはあるのですが、ここまでのクオリティだと十分使い物になると感じました.
FUJIFILM X70
PROVIA F11 1/34秒 ISO6400
F11まで絞って奥までシャープに.最小絞り値はF16なのですが、F11でも絞り過ぎからくる画質の低下を感じました.
ISO6400によるざらっとしたノイズも出ていますが、それほど気にならないです.
FUJIFILM X70
Velvia F5.6 1/60秒 ISO2000
夕暮れ時の住宅地.PROVIAだとやや色の濁りを感じたので、Velviaで誇張気味に.このグラデーションの出かたは素晴らしいです.
FUJIFILM X70
PROVIA F2.8 1/60秒 ISO1250
デジタル補正はせずに、レンズのみで歪曲補正をしているのがX70のレンズの特長です.
きちんと直線が直線として描かれています.
FUJIFILM X70
PROVIA F8 1/8秒 ISO200
低速シャッターで人物をブラして撮影.GRやX100Tのように、光量を落とすNDフィルタを内蔵していれば絞りに気を使うこともないのですが.そこがちょっと残念なところではあります.
FUJIFILM X70
Black&White(Red Filter) F8 1/8秒 ISO200
同じ被写体を白黒で.赤フィルタのシミュレーションにより、コントラストの効いた迫力のある画質になりました.
FUJIFILM X70
PROVIA F4 1/60秒 ISO1600
お昼に食べたテイクアウトの唐揚げ丼.
揚げたてのサクサクの衣の質感がよく出ています.
FUJIFILM X70
PROVIA F2.8 1/60秒 ISO640
500mlのペットボトルを最短撮影距離で撮影.
最短撮影距離はカタログスペックではレンズ先端から10cmとなっていますが、実際にはもうちょっと寄れます.
測ってみたところ、8.5-9cmの間くらいでしょうか.
1週間ほど使ってみての感想を.
画質に関しては、X-T1やX100Tで見覚えのある富士フイルムならではの画像がコンパクトボディで得られることが素晴らしいです.
操作面では、GRに比べてもダイアルが多くアナログ的な操作が多いわりにボディがコンパクトなのでやや狭苦しさを感じて操作しづらい部分もあります.この辺は慣れでしょうか.プリセットを上位機種同様に7つ保存しておけたり、クイックメニューの配置も同じようにカスタマイズできること、そして7ヶ所もあるFnボタンなど、下位機種だからといって手を抜いていないところは好感が持てますし、X-T1やX100Tからカメラを持ち替えても違和感が少ないです.
ややずしっと重さを感じますが、とりあえずいまのところは「中身詰まってる感」としてポジティブに捉えています.人によっては重さを気にする人が出てきそうなくらいの重量感ではあります.
GRからの買い替えとなりますが、買い替えてよかったかとの問いには「もちろん!」と答えたいです.当然、画質・操作性ともに好みが分かれるのはいうまでもないことなので、GRのほうがいいという人もいるでしょうし、その辺はお好みでどうぞという感じですね.